日々日記
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2006/06/05 (月)  小さな挫折感
2006/06/12 (月)  中間試験も終わって/まだらの紐
2006/06/17 (土)  エレベータ事故報道に関して
2006/06/19 (月)  ケーブルTV局


2006.06.05 (月)  小さな挫折感
■バタバタしていて書くことが無かったので小ネタをいくつか.共通するのは「え,知らないの?」という小さな衝撃.

■「R.U.R.に登場するロボットは機械仕掛けというよりは”ブレードランナー”に出てきたレプリカントのような...え,観た事が無い?」

■「おいおい,この紙は青焼きの紙じゃないか? レーザープリンターに使って大丈夫? って,青焼き知らない?」

■「デジタル信号とアナログ信号の違いを理解するにはレコードとCDの違いを考えれば分かり易く...え,レコードを扱ったことが無い?!」

■「原子力発電所の危険性を考える上で,やはりチェルノブイリ原発の現在まで続く放射能汚染の影響を...チェルノブイリって何って?」

■「ブレードランナー」を観た事がなくても仕方が無いけれど,レコードに触ったことが無いとなると,デジタルの概念を教えるのが難しい.ビデオテープも近いうちに駆逐されるだろう.チェルノブイリ原発4号炉の爆発事故(1986年)を知らないと学生に言われた時にはドッキリしたものの,その7年ほど前に発生したスリーマイル島原発事故(1979年)については私自身も自分たちの世界の話というよりも,もっと遠い世界の話として曖昧に記憶しているのだから笑うわけにはいかない.

■大学院博士課程を広島県で過ごしたが,他の地域とは明らかに違う平和教育の徹底に驚いた.他の地域に住む人には,この地域ローカルニュースで取り上げられている様々な世界平和に向けたメッセージは伝えられていないのだろう(実際,広島を離れたらヒロシマ原爆/被災者に関するニュースは激減した).悲劇を忘れないために伝え続けるのは(かったるい,と感じるかと思うが)重要ですねぇ.
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2006.06.12 (月)  中間試験も終わって/まだらの紐
■今週からは早速通常の授業が始まります.今週末締切りの研究助成金申請書類の作成や高専ロボコンのアイディア決定およびNHKへ提出する書類の作成など大忙しの上に,来週頭に昨年度に予算を支給して頂いた学内研究プロジェクト(SNCTエクスプローラ)の報告会もあるのでその準備も必要.平穏に過ごしているように見えて,その水面下では足をバタバタと動かして次第.

■今朝,ヘビを見た.車で出勤途中,道路脇の木の上から,自転車で通学する学生の真後ろに何か紐状のもの(かなり長い)がドサッと落ちた.一瞬,誰かのイタズラかと思ったが,通り過ぎながらサッと見たところ,テカテカと光っているし,いかにもウニョウニョと動きそうな形をしていた.もちろん,死んでいて落ちてきたのかも知れないが,それにしても大きかった.まだ街中にいるのだなぁ,侮れない.

■教員の部屋は,学生がいつでも気楽に入ってこられるようにドアを開けてあることが多い(不在の時は鍵を閉めます).いままでにも,部屋の中にネコが居た,イタチが居た,小さなヘビが居たという話を聞いたことがある.勿論,ハチが飛び込んできたり,蛾や蚊やカナブン等が迷い込むのは日常茶飯事.網戸を付けて欲しいという声も多く聞こえる(エアコンの使用を最小限に抑えるために窓を開けていることも多いため).もし朝見たあのニョロニョロが部屋の中に居たらと思うと,かなり怖い...機械工学科棟は真後ろが水路と田んぼだから,より一層可能性が高い.部屋の中でネコを飼っちゃダメですかね(ネズミやヘビの死骸を持ち込まれても困るが).
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2006.06.17 (土)  エレベータ事故報道に関して
■製造者責任の観点から,現在,問題にされている特定のエレベータ製造メーカに対して,メンテナンス会社への対応や事故情報の管理に問題があるかも知れないことを指摘するのは仕方が無いことでしょう.ただ,一部報道で鬼の首を取ったかのごとく,感情的に暴走(過熱とも言う)しているのには目をつぶっていられません.

■報道側に気を付けて欲しい点はいくつかありますが,その一つは”閉じ込め”と”異常動作(扉が開いたままでの上昇/下降など)”を分けて考えて欲しい点です.授業でシーケンス制御について教えている際には”安全な装置とは安全に緊急停止する装置である”と教えています.利用者にとって不便でも,生産性が落ちたとしても,ちょっとでも怪しければ頻繁に停止するべきである,ということです.

■ボタンを押しても動かない,エレベータが目的階に到着しているにも関わらず扉が開かない,その結果,中に人が居た場合には”閉じ込められた”ことになるでしょう.しかし,これは良い機械です.(勿論,停止してしまった原因,例えばセンサ位置が不適切,センサが故障しているなど,は悪いことです)

■責任を問われるべきは,これらフェイルセイフが正常に機能しなかった事例だけです.例えばプログラムミスが発覚したような”扉が閉じたと判断した0.25秒以内に「開」ボタンを押してしまうと扉が開き,センサは扉が開いていることを検知できているにも関わらずプログラム内部では扉が閉じていると判断してしまうような設計ミスです.あるいはエレベータがその階に存在しない(つまり他の階に存在している,移動中であることをセンサで検知可能であるにも関わらず)外扉が開いてしまい,その結果,人がエレベータシャフト内に落下してしまったような事故.

■生産設備の非常停止機能は,必ずハードウェアで実装することが求められています.センサの配線が切れた場合には”センサがONした”と判断されるようにb接点配線する必要があります.例えば装置を緊急停止させるための非常停止スイッチの配線がいつの間にか切れていた場合,いざ非常時にスイッチを押しても装置は緊急停止してくれません.通常時は導通していて,スイッチON時に配線が切断されるb接点接続してあれば,(何らかのミスで)配線が切断された瞬間に(スイッチが押されたのと同様に)装置は緊急停止します.

■同じように,同時に複数の階にエレベータのカゴが存在するとセンサが誤検出したとしたら,これは明らかに異常です.これを検出するハードウェアは容易に設計できるでしょう.

■エレベータの制御プログラムがどのようなプログラミング環境で製作されているのか知りませんが,PLCを用いたシーケンス制御であれば,簡単に非常停止回路をソフトウェア上でも(かなり確実に動作するように)設計可能です.ちなみに今回のニュース報道で「基盤,基盤」と連呼している局がありましたが,あれは「基板」ですね.マイコンボードでエレベータを制御しているとは,ちょっと驚きました.シーケンサーじゃないのですね.

■ヒトが搭乗する装置の安全率は10で設計されていたと思います.荷物運搬用と比べて安全基準が厳しいと期待していました.エレベータの認可は行なわれているのでしょうか? 私はてっきり行なわれているのだと思っていました.ニュースではこの点を報道してくれません.エレベータの安全神話の一つとして「あはは,大丈夫.ワイヤが切れてもエレベータは自動的にブレーキが掛かって落下はしないのさ!」というものがあります.きっと新しいエレベータを開発して販売するには,国土交通省などの認可を受ける必要があり,その際に実際にワイヤーを切断したり,センサを意図的に誤動作させて,といった試験項目を全てクリアしているのだと思っていました.利用者やメンテナンス業者の取り扱いが,ほどほどに悪かったくらいでは,”閉じ込めは頻繁に起きても扉が開いたまま上下降したりしない”と信じていました.

■定期点検は時間が無いから掃除だけ,であるという話はメンテナンス業者の怠慢です.しかし,製造メーカはメンテナンス会社に整備マニュアルや部品の供給を行なわない,といったことは全く許されることではないでしょう.人の命に関わる製品を開発しているメーカとしては,当然ながら製造者責任を問われておかしくない事態です.

■まとめると,報道機関に関しては(1)”閉じ込め”と”異常動作”を混同して欲しくない,(2)出荷時の認可に関する検査項目等は法的に決まっているのか知りたい.エレベータの設計に関しては(1)どのようなシステムで開発されているのか知りたい(シーケンス制御じゃないのか?),(2)非常停止要因の管理など,ハードウェアではなく,全てがソフトウェアで管理されているのか?を知りたい.
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2006.06.19 (月)  ケーブルTV局
■新しい土地に移って悩むのは床屋.鈴鹿市に引っ越してきた時も,片っ端から床屋巡りをすることになった.条件が合わない.条件とは「無口な床屋」.

■多くの人は”床屋のオヤジと世間話”が好きらしい.どの店に行っても,息子のリトルリーグの話やサッカーの話を聞かされ,職業について質問され,出身地を聞かれ,共通の知人を探りあい,そしてやっぱり息子のリトルリーグの試合に戻り,その上,なぜか隣の客まで話の輪に加わったりする.所詮は世間話だし,そもそも刃物を使って作業している上での片手間だから踏み込んだ話はしないし,できないし,されても困る.テルテル坊主みたいな格好をしてイスの上に座っている状態で,政治や信条について議論が盛り上がるのは避けたい.

■福岡県飯塚市で通っていた床屋さんはその点,非常に良かった.小柄な夫婦の店だった.奥さんは無口かつ,豪腕でガッシュガッシュと頭を遠慮することなく洗ってくれて爽快だった.旦那は無口ではないものの,基本的に一方的にダイエーホークスの選手の話を話し続けるだけで,こちらのことを詮索することなく,賛同を求めることもなく,ただただ「ワカタベがどうのこうの」と話し続けるのを聞いているのは嫌いではなかった.

■東広島市では広島大学学内の床屋(2軒あった)に通った.安いのに仕上がりが丁寧な店があり,床屋(理容院というのが正しい?)というよりも美容院みたいな雰囲気で,店長はちょっと中田(英)風だったが,比較的無口.他の店員さん(見習い?)もクールで静かだった.(もう一軒は1度しか行かなかった)

■話を鈴鹿に戻しましょう.やっと見つけたオアシスのような店.どうも鈴鹿に来てからは忙しい日々が続いているせいか,ついつい床屋のイスに座ると寝てしまう.申し訳ないが完全に熟睡.それでもあまりイヤな顔をせず,2世代4名(ご両親と息子夫婦?)ともに比較的無口で淡々と髪を切る.特に若い旦那は輪を掛けて無口で好印象.

■昨日は奥さんに髪を刈ってもらったのだが,やはり熟睡してしまった.終わり間際に「もしかして学校の先生ですか?」と聞かれて思いっきり狼狽してしまった.不動産屋でも銀行でも,「職業は?」と聞かれて「教員です」と答えると「ああ,なるほどなるほど」と言われる.何かそのようなオーラを出しているのだろうか? あ,まさか胸ポケットの赤ペンから推理したのか,金田一君?!

■「CNS(ケーブルネット鈴鹿)で見掛けましたよ」とのこと.そういえば何度か放送されたことがある.夏休みの子ども工作大会の時の映像だろうか.でもちょっとしか写っていなかったのだが...「あ,いつも来ては熟睡する人だ!」とお気付きになったのでしょうか.ああ,ちょっと恥ずかしい.

■以前に住んでいたアパートは町内会の組織が非常にしっかりとしており,2ヶ月くらいに2度ほどゴミ集積所の指導の当番があった.3名ほどで当番をするのだが,そこでは「せんせい」と呼ばれていた.別にゴミの分別に詳しいからという理由ではなく,町内会会長にバラされたせいであるが,ある日,「TV見ましたよ」と一緒に当番をしていた女性に声を掛けられた.夏休み中に行なうオープンカレッジの宣伝のためにCNSの「ちょっと言わせて」というコーナーに学生と一緒に出たのだが,それを見られたらしい.ローカルケーブルTVの専用チャンネルを見る人は居ないだろう,と高をくくっていたのだが...

■意外と見ている人がいるのだなぁ.これは気を抜けない.それはそうと,次からもお気に入りの床屋に行っても大丈夫だろうか.次行く時は,前の日によく寝ておかなければいけないな.
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日々日記 by Small Ocean