<最近観た映画・番組>

更新: 2006/09/16 T.Shirai

 古いものから上に向かって読むのが正しい読み方です.
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[2006年」
(2006年6月)
「下妻物語」:見事にやられましたね.邦画としては久々のヒットですね.これを見てからは街行くヒトビトの中にジャージの人を発見すると,「あ,尼崎の人だ」と指差してしまいそうで大変です.「富豪刑事」もGood.

(2006年5月)
「ディナー・ラッシュ」:出演者はだれ一人として知らないのですが...NYのレストラン業界とマフィアの世界を描く,現代の抗争は以前のドンパチとは一味違うかと思わせておいて,結局はあまり変わりないというオチ.
「ウィズ・ユー」:ケヴィン・ベーコン,入魂の演技.子役が非常に良い.メアリー・スチュワート・マスターソンも好演.時々,小説や映画に出てくるフレーズ,"See you later, alligator.",これは単なるダジャレ(レイターとアリゲーター)なのですが,「ハイぺリオン」の中のエピソードの一篇のせいで,胸がジーンと来てします.返すフレーズは"After while, crocodile",と決まっているのですが,この作品でも効果的に使われています.

「TOKYO TOWER」:あはは,観てしまいました.どうしよう.黒木 瞳,パワー全開.
「好きと言えなくて」
ユマ・サーマン主演のちょっとダサいコメディ.好きな人は好きでしょう.ラジオでペット相談を受けるジャニーン,容姿には自信なし.友人で美人モデルのノエル(もちろんユマ・サーマン),ジャニーンの声に惚れたカメラマンのブライアン.突然,ブライアンに付き合ってくれと言われて動揺したジャニーンはノエルにジャニーンのフリをしてくれと頼む(なんでや?!) で,そのうちに三角関係になって...主人公は一応,ジャニーン,かね.

(2006年4月)
「恋する遺伝子」:
アシュレイ・ジャッドと「Xメン」のヒュー・ジャックマン共演.マリサ・トメイも出演.終わり方は妙にチープだった.早い話がラブコメですが,主演の二人に世の中の方々はハート狙い撃ちでクラクラだそうです.
「トゥー・ウィークス・ノーティス」:サンドラ・ブロック製作・主演,共演にはヒュー・グラント.このところ製作も兼ねることの多いサンドラですが,ちょっと強くてコミカルな役柄はやはり得意.ヒューグラントも適役.監督のマーク・ローレンスは「デンジャラス・ビューティー」の脚本とくれば,定石どおりのラブコメが見事に決まっているのも頷ける.タイトルは,”2週間後には(仕事を)辞める」という宣言のこと.「もうイヤだから明日から仕事にいかない」といったワガママは,大人の社会では通用しないのです.
「ゴスフォート・パーク」:巨匠ロバート・アルトマン監督の群像劇.'30年代,イギリス郊外のカントリーハウス”ゴスフォード・パーク”に集まった貴族たち.殺人事件が発生し,階上ではエゴむき出しの貴族たちが腹の探りあい.犯人は誰だ? という点よりも,メイドと従者の世界が奇妙で面白い.

「クライシス・オブ・アメリカ」:ジョナサン・デミ監督作品.主演はデンゼル・ワシントン,メリル・ストリープ.うっとうしくフィルム上に現れる日本のカップヌードルメーカーの広告が目障り.新しい宣伝手法と勘違いしているのだろうか? 近頃,この手のダサい所業を目にすると心の底からガッカリするようになった.
「ニューオーリンズ・トライアル」:「ザ・ファーム/法律事務所」,「ペリカン文書」など,映画化された作品(主にリーガルサスペンス)の数では群を抜くジョン・グリシャム原作,ジョン・キューザック,ジーン・ハックマン,ダスティン・ホフマン主演.最後まで先が読めない秀作.陪審員制度がメインテーマ.銃器メーカーを訴えた裁判の原告側弁護士はダスティン・ホフマン,被告側が雇った超一流の情報屋(陪審員制度の限界ぎりぎりの情報収集および操作で判決を操る)にジーン・ハックマン,謎の陪審員ジョン・キューザック.
「レディー・キラーズ」:なぜか連続しましたコーエン兄弟作品.主演はトム・ハンクス.この監督コンビ,どうして猛烈に面白いときと眠いときがあるのだろう.アレック・ギネス主演で1955年に製作された「マダムと泥棒」のプロットを,舞台をイギリスからアメリカ南部に移した作品.5人組の犯罪者集団が下宿屋の女主人を騙して部屋を借り,そこを基点にカジノ船の金庫室まで地下トンネルを掘る.計画は成功するが女主人にバレてしまい...でも,レディー・キラーズじゃ,まるで女性連続殺人者集団か,結婚詐欺師集団みたいじゃないですか.
「ディボース・ショウ」(Intolerable Cruelty"):コーエン兄弟監督作品,ジョージ・クルーニーとキャサリン・ゼタ・ジョーンズ競演.ジェフリー・ラッシュにビリー・ボブ・ソーントンも脇を固める豪華作品だけあって,「そりゃそうだ」「そうなるべ」と期待通りに話が進むのは実に爽快です.原題の"Intolerable Cruelty"ですが,intolerableは”耐えられない,我慢できない”,crueltyは”残酷な行為,虐待”.ジョージとキャサリンはお互いに騙しあい,奪い合いますが,傍から見ていて”それが耐えられない残酷なこと?”,アメリカ人,ちょっと反省しなさい.まぁ,ストーリーの良し悪しとか,”愛はお金で買えるのか?”といった議論は別に作品に譲って,ここではジョージとキャサリンの二大俳優の競演を口をポカーンと開けて観ていましょう.マイケル(・ダグラス),大丈夫?

「完全犯罪クラブ」:サンドラ・ブロック製作・主演.IQの高い高校生2人が完全犯罪(殺人事件)を行うのだが,執拗な捜査官(サンドラ・ブロック)に付け回されて最後には捕まる.タイトルほどには完全犯罪ではなく,真犯人の二人も完璧な関係ではなく,これは邦題に騙されたか?

「ブリジット・ジョーンズの日記」:レニー・ゼルウィガー主演.まぁ,話題の作品ですので,続編はともかく1作目は観なくてはいけないね.ということで,観ました.はい,むちゃくちゃですが,よくできた作品です.
「僕の彼女を紹介します」:「猟奇的な彼女」の監督・女優が組んだ作品.パッケージの写真がイイですね.

「ジュラシックパークIII」:おなじみのシリーズ第3作.もうあまり驚くこと,無くなってしまいましたね.第1作ほどのインパクトはありません.
「ドラムライン」;日本では吹奏楽部が兼任することも多いマーチングバンドですが,米国ではかなり本格的.フットボール等の試合も重要だが,応援合戦であるマーチングバンド同士のバトルもかなり白熱する.才能はあるが生意気な小僧が協調性を身に付けてチーム一丸がんばる,まぁありきたりですが,その線では定石を踏んでいて面白い.
「バタフライ・エフェクト」:久しぶりに当たりの映画.監督のコメンタリーによる”もうひとつのエンディング”の特典映像まで見てしまいました.音楽,映像,効果音,展開,テンポ,すべて良し.主演はアシュトン・カッチャー.過去を変える能力を持つことに気づいたら,何をするか? というよりも,面白いのは”どの辺で手を打つか”というところだろう.
「コール」:シャーリーズ・セロン,ケヴィン・ベーコン,ダコタ・ファニング.幸せな家族(夫婦と娘)が誘拐される.妻は自宅に,夫は出張先のホテルに,娘をアジトに.バラバラに監禁するというアイディアは新しい.ダコタ・ファニングは相変わらず演技がうますぎる.ケヴィンは誘拐される夫ではありません,冷血な誘拐犯のリーダー.
「デイ・アフター・トゥモロー」:デニス・クウェイド主演.「ID4」のローランド・エメリッヒ版「復活の日」.どちらかというと「ディープ・インパクト」かな?
「デンジャラス・ビューティー2」:前作同様,面白うございました.ウィリアム・シャトナー健在.

「フォーガットン」
("The Forgotten", 2005)ジュリアン・ムーア主演.ゲイリー・シニーズ,アンソニー・エドワース出演.予告編が非常に,非常に良かっただけに,本編のオチの酷さは(寝ぼけてあまりよく覚えていないのだが)M・シャマランの「サイン」並みに酷かった.ちなみにアンソニー・エドワーズは米国TVドラマ「ER」のマーク・グリーン先生だ.ええと,出ていた記憶があまりないのだが...「フォーガットン」の公式サイトでアンソニー・エドワーズを調べ直したところ,おお,「初体験/リッジモント・ハイ」で役者デビューだったのか.しかも「トップガン」(トム・クルーズ主演)の相棒グース役だったのか!(女房役はメグ・ライアン) いまから思うと「トップガン」は,トムのライバル,アイスマン役のヴァル・キルマーといい,良い役者を使っていたのだねぇ.結局,関係ないネタで盛り上がってしまいましたね...”「シックスセンス」以来,最も衝撃的なスリラー!”(SEATTLE POST)だそうです.B級映画が好き,ジュリアン・ムーアが好き,アンソニー・エドワースを一瞬でも見たい人,はご覧下さい.

(2006年3月)
「ゴースト&ダークネス」 ("The Ghost and The Darkness", 1996)ヴァル・キルマー&マイケル・ダグラス主演.舞台は19世紀末の東アフリカ.2頭の人食いライオンが鉄道工事を邪魔するので困っていました.以上.
「ヤァヤァシスターズの聖なる秘密」("DEVINE SECRETS OF THE YA-YA SISTERHOOD", 2002):おかしなタイトル通りのイカれたオープニングから始まり,終盤でちょっと複雑にホロリとさせられる.サンドラ・ブロックと4人のベテラン女優,それと「スペース・カウボーイ」でクリント・イーストウッドと一緒に宇宙へ行ったジェームズ・ガーナー出演.ヤァヤァシスターズ(と自称する田舎町の仲良し4人組)のちょっと哀しく,うんとおかしい半生記.これはちょっと大人向けですので,若いカップルが気軽に観ると,前半は大爆笑だが,後半はお互いに無口になってしまうかも...
「恋愛適齢期」:怪優ジャック・ニコルソンに,正統派ダイアン・キートン,二枚目キアン・リーヴスが挑む.ジャックはいつも通りですが,キートン,キアヌとも今までとは一味違う役柄を見事に演じ切っていますね.監督・脚本は,なんと,「プライベート・ベンジャミン」('81,G.ホーン主演)の脚本を担当したナンシー・メイヤーズ.軽いタッチで熟年の恋愛を取り扱っています.
「ゴースト・オブ・マース」:"John Carpenter's Ghost of Mars"の名の通り,これは”ジョン・カーペンター監督”の映画です! 舞台が火星だろうと港町だろうと中華街だろう南極だろうNYだろうとLAだろうと,あまり気にする必要はありません.なにせ,これは”ジョン・カーペンター監督”の作品ですから.音楽も相変わらずベンベンベンベン,監督自ら担当して手放しません.アイス・キューブやナターシャ・なんとかさん主演.ちなみにレコーディング風景が特典映像に収録されていますが,これは一見の価値有り.あのベンベンベンベンも,実は凄い演奏家たちの手によるものだということが分かります.ジョンもとっても楽しそうです.撮影よりもこちらの方が生き生きとしている.レコーディングがしたいから映画を撮影しているのじゃないか? 老いてますますイカすジジイになりました.
「マッチスティック・メン」:白状するまでも無くニコラス・ケイジは大好きです.さらに惚れました.いい,本当にいい.監督は英国人のリドリー・スコット.原作付きの強みですね,密度の濃い作品.潔癖症の詐欺師が久々の大仕事に取り掛かるが...
「テープ」:地味なタイトル通りのリチャード・リンクレーター監督(「スクール・オブ・ロック」)のインディーズ的佳作.実生活でもパートナーのイーサン・ホークとユマ・サーマン,それとロバート・ショーン・レナードの3人しか出てこない.ひたすら喋る,喋る,喋る.
「バットマン・ビギンズ」:一言.謙さん,これでオスカー助演男優賞は無理じゃないですか,出番少ないし.クリストファー・ノーランらしさはあまり感じられませんでしたが,退屈ではありませんでした.
「コラテラル」:collateral = 付帯的な,傍系の,といった意味の形容詞.テロの巻き添えで家族を失うアーノルド・シュワルツェネッガー主演の「コラテラル・ダメージ」の collateral damage は,付帯的損害という意味で,軍事行動の結果として民間人が受ける被害のことで,やむを得ない被害(要するにとばっちり)と正当化された表現.'91年の湾岸戦争の頃から使われ始めたという未確認情報あり.トム・クルーズが暗殺者役を,巻き込まれて一緒に行動させられる気の毒な黒人運転手をジェイミー・フォックスが好演.
「サイン」:「シックスセンス」でS.スピルバーグの再来と注目を集め,「アンブレイカブル」で少しだけ顰蹙を買い(私は好きですよ,この作品までは),「ヴィレッジ」で神通力のメッキを剥がされたM.ナイト・シャマラン監督作品.予告編は非常に良くできていたため,かなり期待していたのですが,変な宇宙人のようなものが出てきて,全てが台無しになりました.
「T.R.Y.」:同じく妻は私が織田君のファンだと思っているようですが,時と場合によりけりです.原作があるのに,どうしてこうも,ロジックが穴だらけなんだろう.

(2006年2月)
「タイムライン」:マイケル・クライトンとエンタテイメントの巨匠リチャード・ドナーが監督,さらにリチャード・ドナーは出演もしているのだが...予告編は大いに期待感を盛り上げてくれたのですが,実際にはあまり面白くなかったです.
「ニューヨークの恋人」:メグ・ライアン,ヒュー・ジャックマン(「X−MEN」)共演のタイムトラベルもの.妻は私がメグ・ライアンのファンだと確信しているようですが,私の好みはアリー・シーディです.確かにメグ・ライアンも嫌いではないが.
「キャシャーン」:”宇多田ヒカルの夫”と呼ばれるのはきっとイヤでしょうね,と,いらぬ同情をされる紀里谷和明監督作品.私らの年代からすると出来上がった映画に過大な期待をしてしまい,ちょっと落ち込むかも知れないが,そんなことはありません,”これは別物だな”と割り切れば,久しぶりに観るに耐えられる邦画でした.「時効警察」の三日月くん役の麻生久美子が出ていたりするが,全くといって良いほど役者には存在感が必要なかった.及川光博は例外だが! 独自の世界観(:賛否はともかく)を貫き通した力量は十分に評価できる.同時期に劇場公開された「デビルマン」が,予告編を観ただけで,Tビジュアルと銘打つビデオゲームクオリティのCG,下手くそな若手俳優,に怒りが込み上げたのとは対極だ.
「オースティン・パワーズ・ゴールドメンバー」:トム・クルーズ,スティーブン・スピルバーグ,ビヨンセ,ブリトニー・スピアーズなどがゲスト出演.特にトム・クルーズの使い方は最高です.

(2006年1月)
「オースティン・パワーズ・デラックス」:説明はあまり必要ないでしょう.「ウェインズ・ワールド」のマイク・マイヤーズと言っても近頃は通じないようですね...
「嗤う伊右衛門」:妻からは強く推薦されながらも,ボリュームの厚さもあって,なかなか手にする勇気の出ない京極夏彦原作の映画化.小雪さんが主演.うーん,頑張ったのですが,いまひとつ何かが足りない.
「トリプルX」:すみません,つまらなかったです.クラブの用心棒からハリウッドスターになった(実際にはもっと複雑な道のり)のが売りのちょっとワルな黒人俳優ヴィン・ディーゼルの魅力爆発!といった予告を観たので期待していたのですが...役柄は単なるゴロツキが,いきがって正義の味方を気取っただけの陳腐なストーリー.いや,製作者の最初の意気込み(”毒をもって毒を制する”)は良かったのかも知れないが,ハリウッドの”お子様でも大丈夫ならば大儲け”フィルターを通った結果,牙が抜かれてしまった感じ.「リディック」にも期待していたのですが,怖くてレンタルできなくなってしまいました.
「里見八犬伝」:これまた映画じゃないですね.すみません,妻がタッキーのファン(補注1)で,私が(仲間)由紀恵のファン(補注2)なのです...街中で税務署のポスターを見ながら「ゆきえぇ」と呟いている不審者が居たら,それは私です.「義経」→「功名が辻」と大河ドラマでNHKの手玉に取られて嬉しい悲鳴.でも,「里見八犬伝」と言えば,薬師丸ひろ子と真田広之(+千葉真一)だろう.
(補注1) 美しいルックスが好きなのであって,ジャニーズの追っかけではなく,CDを繰返し聞くわけでもない.
(補注2) 同じく,「恋のだうんろぉーどぉ〜」などとCMを見ながら一緒に歌ったり,部屋にポスターを飾ったり,カレンダーを予約したりする訳ではない.

「Mr&Mrs.スミス」:ブラッド・ピット&アンジェリーナ・ジョリー主演.劇場で観ました.大した話では無いのですが,アンジーのお尻勝ちということで.
「スキージャンプ・ペア」:映画じゃないですね.確かホームページで公開されたときに,いち早く,とある情報源からキャッチして爆笑した記憶があります.改めてDVDで観ると....ちょっと新鮮さには欠けましたが,やはり独創は独走だと再認識.丁度,トリノ冬季オリンピックの時期と重なる.

[2005年」
(2005年12月)
「義経」:映画じゃないですが.全話観ました.
「ザ・コア」:久々の”無理だろそりゃ”な豪華B級映画作品.「アルマゲドン」で美化されすぎた利他主義に辟易した方に特にお勧め.
「猟奇的な彼女」:韓国製のオンライン小説映画化作品.ベロベロです.「電車男」? はっ!(ペ・ヨンジュン風,右斜め下に溜め息).
「ブルース・オールマイティー」:やはりダメだったか.どうしてアメリカのコメディで大人は低知能化するのか? ウルトラマンシリーズに登場する宇宙人が巨大化すると,なぜか間抜けな破壊者に落ちぶれるのと微妙に似てるガックリ感.
「えびボクサー」:一部でカルトな人気を呼んだ英国作品.原題"CRUST".ひょんなことから手に入れた”巨大なエビ”を使ってカンガルーボクサーならぬ,えびボクサーで一儲けを目指すが...まぁ,三日も一緒に暮らせば情が移るということで.
「アリーテ姫」:ん,で?
「ビューティフル・マインド」:ロン・ハワード監督.ラッセル・クロウ主演,ジェニファー・コネリー(!)共演.ノーベル賞を受賞した実在の数学者の物語.タイトルから,勝手な想像を働かせて”数式の美しさに魅入られた天才数学者の豊かな人生”みたいな話を期待しないように.
「ロボコン」:2005年にNHK大河ドラマ「義経」や民放「電車男」で見ることになる若手俳優が勢揃いしている(滝沢君は出演していないぞ.念のため)点では注目できるが,作品としては,”だから邦画はいつまでたってもダメなんだ”と言わても仕方がない,音程がズレたC級品.変だよ,絶対に変.
「元祖!アホでマヌケなアメリカ白人 Vol.3」:”おお,本数いっぱいあるんだな”と思って適当に一本借りてきたら,シリーズものだった.
「コールド・マウンテン」:ニコール・キッドマン,レネー・ゼルヴィガー,ジュード・ロウ.寒い冬に見ると格別.素晴らしい作品です.あ,美しくも幸せですが,哀しい話です.
「スパイダーマン2」:トビー・マグワイヤ主演.大家の娘の登場する意味は...?
「ロスト・イン・トランスレーション」:監督・脚本ソフィア・コッポラ.主演はビル・マーレイ,ナオミ・ワッツ.舞台が日本だった点を除くと,正直,あまり面白くなかった.
「スクール・オブ・ロック」:リチャード・リンクレイター監督.ジャック・ブラックのロックンロールパワーに”エンディングロール”まで引っ張られる快作.劇場で本編終了後に直ぐ退場してしまう短気な観客は損をする.ジョーン・キューザック(ジョン・キューザックではない)共演(補注)
(補注) ジョーン・キューザックはジョン・キューザックの実姉とのこと.他の兄弟,姉のアン,兄のビル,妹のスージーも俳優だそうです.
「めぐりあう時間たち」:ニコール・キッドマン,ジュリアン・ムーア,メリル・ストリープ.時間を跨いだオムニバス.
「シカゴ」:ロブ・マーシャル監督.レネー・ゼルヴィガー,キャサリーン・ゼタ・ジョーンズ,リチャード・ギア,ルーシー・リュー.アカデミー賞受賞は伊達じゃなかった.前知識とは全く異なる作品だった.
「アイ,ロボット」:ウィル・スミス主演.ジェームズ・クロムウェル.短編を強引に長編化.スポンサー企業の提灯をブラ下げている.完全に原作を冒涜している.米国人には理解できないのだろうか???
「スパイ・ゲーム」('99年英国):イルカ・ジャルヴィラチュリ監督.ビル・ブルマン,イレーヌ・ジャコブ.途中で挫折...退屈.
「プラクティカル・マジック」:サンドラ・ブロック,ニコール・キッドマン,エイダン・クイン,そしてストッカード・チャニング(TVドラマ「ホワイトハウス」の大統領夫人)に「ER」のクロアチア人医師ゴラン・ヴィシュニッチも出演.
「スパイダー」
「フォーンブース」
:ジョエル・シューマカー監督.ラリー・コーエン脚本.コリン・ファレル主演,フォレスト・ウィテカー,ケイティ・ホームズ,キーファー・サザーランド共演.
「ビッグ・フィッシュ」:期待が大きかったので反動が痛い.
「サハラ/死の砂漠を脱出せよ」:クライブ・カッスラー原作の冒険活劇.配役は原作のイメージ通り,「レイズ・ザ・タイタニック」に落胆したファン(=私)も太鼓判.
「ネバーランド」:ジョニー・デップ,ケイト・ウィンスレット.
「攻殻機動隊/THE LAUGHING MAN」
「ナショナル・トレジャー」
:ニコラス・ケイジ
「アダプテーション」:リチャード・カウフマン,ニコラス・ケイジ.

(2005年11月)
「パンチドランク・ラブ」
「華氏911」
「マイノリティ・リポート」
:ディックの原作だよ,無理に大作にするから...とても退屈.
「ボーン・アイデンティティ」
「オールド・ボーイ」
:韓国作品.オチはガックリきたが原作が良いのか,とても面白い(?)
「ペイチェック」
「リーグ・オブ・レジェンド」
:ショーン・コネリー主演.作品を慎重に選ぼうよ,コネリーさん.コネリー演じたアラン・クォーターメインは古典冒険小説のヒーロー.「キング・ソロモンの秘宝」('85)にリチャード・チェンバレン主演(シャロン・ストーン共演)で映画化された.ほぼ同時期に「ロマンシング・ストーン」(マイケル・ダグラス主演)が公開されたため,副題は”ロマンシング・アドベンチャー”(笑).
「デンジャラス・ビューティ」("Miss Congeniality"):ドナルド・ピートリー監督,サンドラ・ブロック主演.
「ガントレット」:クリント・イーストウッド監督・主演.ソンドラ・ロック共演.公開当時,使用された実弾の数が話題に.観れば分かる.ちなみにタイトルにもなっている”ガントレット”とは罪人に対する刑罰の一つで,鞭を構えて2列に並んだ人間の間を歩かせる罰.一部の国では未だに鞭打ちが刑罰として残っているが,いまは行なわれていない(と信じる).私は,鞭ではなくて石を投げる刑罰だったと記憶しているが,これは記憶違い?(確か,故・淀川氏か,水野氏がそのように解説していた記憶がある).なお,シンガポールではムチ打ちの処罰が実施されています.賛否はともかく,効果は絶大?
「ペイバック」:メル・ギブソン主演.

(2005年10月)
「シン・シティ」:ワーナーマイカルシネマズ鈴鹿で観ました.すごく...すごい.
「キャッチ・ミー・イフ・ユーキャン」:スピルバーグ監督,久しぶりの快作.レオナルド・ディカプリオの本領発揮.
「アルタード・ステイツ」:ケン・ラッセル監督.ウィリアム・ハート映画初出演.その筋では有名なカルト的作品.

(2005年9月)
「スウィング・シフト」('84米):ジョナサン・デミ監督.ゴールディ・ホーン,カート・ラッセル,エド・ハリス.
「フロム・ヘル」:アレン・ヒューズ&アルバート・ヒューズ監督,ジョニー・デップ主演.ヘザー・グラハム.
「ラブ・アクチュアリー」:リチャード・カーティス監督・脚本.
「バイオハザードⅡ」:ミラ・ジョボビッチ最高.

(2005年8月)
「猫の恩返し」
「マイ・ブルー・ヘブン」
:スティーブ・マーチン,リック・ミラニス
「パリ・ルーヴル美術館の秘密」:ニコラ・フィリベール監督・脚本.ドキュメンタリー映画.

(2005年7月)
「宇宙戦争」:ワーナーマイカル・シネマズ鈴鹿で観ました.トム・クルーズ主演.呆気なく終わるストーリーは原作通りだと言ってしまえばそれまで.
「フランティック」('88年米):ロマン・ポランスキー監督.ハリソン・フォード主演.
「ザ・リング」

(2005年6月)
「海猿」

(2005年5月)
「ミシェル」("GOD IS GREAT, I'M NOT", 2001年仏)
「エッジ・オブ・アメリカ」(2003年米)
:クリス・エア監督
「ブルース・リー 死亡遊戯」
「菊次郎の夏」
:私物化? なにが面白いのか分からない.
「ナイルの宝石」
「アラビアのロレンス完全版」('62年, '88年英国)
:やっと全編観ました.
「キー・ラーゴ」:ハンフリー・ボガード,ローレン・バコール共演,ライオネル・バリモア.ジョン・ヒューストン監督.
「ミステリー・アラスカ」:デヴィッド・E・ケリー脚本,製作.ラッセル・クロウ主演,ロリータ・ダヴィドビッチ出演.”ミステリー”は地名.ド田舎アイスホッケーチーム版”がんばれベアーズ”.
「シェフと素顔と,おいしい時間」(2002年仏)

(2005年4月)
「アビエイター」:ワーナーマイカルシネマズ鈴鹿で観ました.マーチン・スコセッシ監督,レオナルド・ディカプリオ主演
「第三の男」
「老人Z」
:ちょっと古臭いですが,大友克洋の原作,脚本,メカニカルデザイン,キャラクタ原案はあの江口寿史.十分にいまでも楽しめます.
「千年女優」:新しい作品ですし,ちょっと話題の今 敏監督の作品で,「千年女王」にひっかけたのでしょうね.こういう方向性に走る気持ちも理解できるが,できあがった作品の面白さは理解できなかった.
「電話で抱きしめて」
「ドライビング・ミス・デイジー」
:何回観ても良いものは良い.超ベテラン女優ジェシカ・タンディとモーガン・フリーマン主演のアカデミー賞作品.
「戦場のピアニスト」:ロマン・ポランスキー監督
「ザ・ワン」:ジェット・リー主演.
「アトランティスのこころ」:S.キング原作,アンソニー・ホプキンス
「ウィンド・トーカーズ」:ジョン・ウー監督,ニコラス・ケイジ,クリスチャン・スレーター共演
「ミッション・トゥ・マーズ」:ブライアン・デ・パルマ監督

(2005年3月)
「スチュアート・リトル2」
「スリーパー」
「あの日ペニー・レインと」
「トラフィック」
「ヘブンズ・プリズナー」
「スターリングラード」
「オール・ザット・ジャズ」
:一時,ロイ・シャイダー演じる舞台演出家のようなイカれ具合がクールに感じられた時期がありました...

(2005年2月)
「愛と哀しみのボレロ」
「招かれざる客」
「イグジステンス」
「呪怨」
「クレイドル・ウィル・ロック」
「ストーリー・オブ・ラブ」
「ファストフード・ファストウーマン」
「ラブ・レター」
「ハッピー・アクシデント」
「CUBE2」

(2005年1月)
「結婚記念日」
「耳をすませば」
「コンペティション」
「HANA−BI」
「気まぐれな狂気」
「GHOST IN THE SHELL」
「ことの終わり」
「チョコレート」
「WXIII 機動警察パトレイバー」
「ザ・フライ」
「踊る大捜査線THE MOVIE」
「座頭市」
「24シーズン2」

[2004年]
(2004年12月)

「ハウルの動く城」
「冬のソナタ(完全版)」
「機動警察パトレイバー2 the Movie」
「機動警察パトレイバー劇場版」
「さらば愛しき女よ」
「狼の挽歌」

(2004年11月)
「デイズ・オブ・サンダー」
「カイロの紫のバラ」
「スパイ・ライク・アス」
「裸足で散歩」
「ペギー・スーの結婚」
「刑事ジョン・ブック/目撃者」

(2004年10月)
「オードリー・ヘプバーンのモンテカルロへ行こう」
「バード・オン・ワイヤー」
「シカゴ・ドライバー」
「キリング・ミー・ソフトリー」
「王は踊る」
「野獣死すべし」
「エアブレイク」
「トランスポーター」

(2004年9月)
「理由」
「GODZILLA」
「ボウリング・フォー・コロンバイン」
「LAコンフィデンシャル」
「メイフィールドの怪人たち」
「新・明日に向かって撃て!」
「チャイナタウン」
「コールド・フィーバー」
「オルフェ」

(2004年8月)
「ラブ・アフター・デス」
「インテリア」
「ミッドナイト・エクスプレス」
「名探偵再登場」
「名探偵登場」
「ファイナル・ファンタジー」
「メッセージ・イン・ア・ボトル」
「サクラ大戦・活動写真」
「理想の結婚」
「ハリー・ポッター/アズカバンの囚人」

(2004年7月)
「英雄/HERO」
「オール・オブ・ミー」
「アメリカン・プレジデント」
「インサイダー」
「リトルショップ・オブ・ホラーズ」
「Uボート」
「V」
「世にも怪奇な物語」
「ハイ・フィデリティ

(2004年6月)
「ブラインド・デート」
「ウェディング・プランナー」
「テキサス魂」
「シャレード」
「続・激突!カージャック」
「M:I−2」
「ラ・マンチャの男」

(2004年5月)
「Stupid in NY」
「ブルース・ブラザース2000」
「花嫁はエイリアン」
「潜行者」
「NY検事局」
「イン・マイ・ライフ」
「ガンヒルの決斗」
「ハンナとその姉妹」
「シェーン」
「小説家を見つけたら」
「ザ・メキシカン」
「パールハーバー」
「赤ちゃん泥棒」
「暴走特急」
「24」
「ザ・ファーム法律事務所」
「普通の人々」
「キル・ビルVOL.2」
「聖なるうそつき,その名はジェイコブ

(2004年4月):データ紛失
「アップルシード」

(2004年3月)
「黄泉がえり」
「イノセンス」
「黒いジャガー」
「たそがれ清兵衛」
「スパイキッズ2」
「偶然の旅行者」
「ネバー・セイ・ネバー・アゲイン」
「サンシャイン・ボーイズ」
「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」
「レジェンド・オブ・メキシカン」
「ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔」
「グレイス・オブ・マイ・ハート」
「花嫁のパパ」
「白と黒のナイフ」

(2004年2月)
「ノイズ」
「ユーズド・カー」
「17歳のカルテ」
「ベッカムに恋して」
「X−MEN2」
「ターミネーター3」
「バイオ・ハザード」
「ハリー・ポッターと秘密の部屋」
「ブレックファースト・オブ・チャンピオンズ」
「陽のあたる場所」
「ロード・オブ・ザ・リング」
「ミスティック・リバー」

(2004年1月)
「泥棒成金」

「マークスの山」
「恐怖のメロディー」
「モリー先生との火曜日」
「アラベスク」
「マンハッタン無宿」
「ザ・ファン」
「救命士」
「激突!」
「千年の恋 ひかる源氏物語」

「セント・エルモス・ファイアー」
「スパイ・ゲーム」
「嵐の中で輝いて」
「寒い国から帰ったスパイ」
「どら平太」
「レッド・ブロンクス」
「サウス・キャロライナ」(1991米 "The Prince of Tides"):
バーブラ・ストライサンド監督・主演,ニック・ノルティ共演.
「アナコンダ」(1997米 "Anaconda"):アンジェリーナ・ジョリー,アイス・キューブ,エリック・ストルツがジョン・ボイドにつれ回されて巨大蛇の捕獲に付き合わされる.うん,蛇はデカイに限る訳だが,ほどほどに.
「プロジェクトA2」(1987香港 "ProjectA II"):監督・主演はジャッキー・チェンだが,サモ・ハン・キンポーもユン・ピョウも他の作品の撮影の都合で不参加.
「プロジェクトA」(1984香港 "Project A/A計画):監督・主演・脚本ともにジャッキー・チェン,同じく同時代の香港映画界のスターであるサモ・ハン・キンポーも出演,他に共演はユン・ピョウ.ああ,懐かしい.今としては古臭く感じる部分も多いが,ジャッキー・チェン映画の最高峰でしょう.その後,世界進出やハリウッド進出などを行ったが,加齢と共に説教臭さが鼻についてしまったり,ドタバタ演技が浮き上がってしまったり.
「シー・オブ・ラブ」(1989米 "Sea of Love"):アル・パチーノ,ジョン・グッドマン出演,監督はハロルド・ベッカー.詳細は覚えていない.
「ジム・キャリーはMr.ダマー」(1994米 "Dumb and Dumber"):ジム・キャリー主演,監督・脚本がファレリー兄弟なので,B級コメディだろうと思っていたら,思いっきりC級.我慢の限度を超えている.みんな,本当に,子供のようにワガママで小ズルくて自分勝手ゆえにハタ迷惑な大人が面倒を起こしながら目の前をドタバタ歩き回る姿をみて,警察を呼ばずに腹を抱えて笑えるの?

「エバー・アフター」(1998米 "Ever After"):主演ドリュー・バリモア,共演アンジェリカ・ヒューストン,ジャンヌ・モロー.
「クライングゲーム」(1992英 "The Crying Game"):ニール・ジョーダン監督脚本,IRAに囚われたフォレスト・ウィテカーは監禁中に事故で死亡.責任を感じた犯人側のスティーブン・レイは彼の元恋人に謝罪しに行く.公開当時,予想外のストーリー展開が話題になった.
「危険な関係」(1988米 "Dangerous Liaisons"):18世紀・パリの貴族社会.グレン・クロースとジョン・マルコビッチ,さらにミシェル・ファイファー,キアヌ・リーブス,ユマ・サーマンが危険な関係になったような気がするが,ストーリーはさすがに半年たつと忘れている.
「マトリックス・レボリューションズ」(2003米 "The Matrix Revolutions"):ワーナーマイカルズ・シネマ鈴鹿で観ました.
「13デイズ」(2000米 "Thirteen Days"):ケビン・コスナー主演.


[2003年]
(2003年12月)
「ラスト・サムライ」(2003米 "The Last Samurai"):
ワーナーマイカルズ・シネマ鈴鹿で観てきました.特に文句なし.
「十二人の怒れる男」(1957米 "12 Angry Men"):
これは非常に有名な作品です.レジナルド・ローズ原作・脚本,ウィリアム・フリードキン監督,ジャック・レモン主演,ジョージ・C・スコット,ヒューム・クローニン出演.日本と米国の裁判制度の違いを知るには良い作品です.「アラバマ物語」(ちょっとタイトルで損している)
同様,お勧めです.
「グリンチ」(2000米 "The Grinch"):ジム・キャリー,良い作品もあれば,こういうどーしよーもない作品もあるので難しい.打率が悪い.
「コヨーテ・アグリー」(2000米 "Coyote Ugly"):怒っている(Angry)のではありません.物騒とかタチが悪いといった意味です.実在のクラブを舞台に,見果てぬ夢を追う少女たちの姿を瑞々しくエネルギッシュに描いた作品.
「ブッシュ・ド・ノエル」(1999仏 "La Buche"):クリスマスに食べる木の形をしたケーキですね.エマニュエル・ベアールとシャルロット・ゲンズブール出演.クリスマス休暇で集まった家族がゴタゴタする話.米国の大統領は関係ありません.
「マトリックス・リローデッドト」(2003米 "The Matrix Reloaded"):例の作品の2作目.3作目「マトリックス・レボリューションズ」を劇場で観るには,先に見ておかなくては.
「アルケミスト」(1999英 "The Alchemist")
「模倣犯」(2002日):宮部みゆき+森田芳光だと,こんなものかなぁという程度の深みの無いストーリー.着想やプロットは悪くないし,キャストも狙いどおりだけに勿体無い.
「宮廷料理人ヴァテール」(2000仏英 "Vatel"):ルイ14世の治世下,国王をもてなすための饗宴をフランスきっての宮廷料理人であるヴァテールが取り仕切る.貴族の我儘な要求や妨害工作等に振り回されて,ジェラール・ド・パルデュは精根尽き果てる.ユマ・サーマンの美貌は絢爛豪華な舞台・衣装にとても良く映える.ええと,平和な世界(?)の平和(過ぎる)国の平民である幸せに感謝.

「ノーマンズ・ランド」(1987米 "No Man's Land"):
チャーリー・シーン主演,つまりB級です.こういうタイトルなのに車泥棒の話です.わからん.
「パーフェクト・ストーム」(2000米 "The Perfect Storm"):
「Uボート」の,で通じるウォルフガング・ペーターゼン監督,ジョージ・クルーニ主演の”だからいわんこっちゃない”な災害巻き込まれ映画.感動もなければ教訓もない.ただただ,”それいわんこっちゃない”.それはともかくガテンなダイアン・レインはgoodでした.
「ラリー・フリント」(1996米 "People vs. Larry Flint"):ミロス・フォアマン監督,ウディ・ハレルソン主演,コートニー・ラヴ熱演.過激な内容で世間を騒がせた「ハスラー」誌の創刊者の半生を描いた作品.ちなみにラリー・フリント氏は現在もまだまだ元気です.
「オーロラの彼方へ」(2000米 "Frequency"):
デニス・クウェイド主演,熱い親子関係を軸に,サスペンスフルにかなり予想を裏切るどんでん返しの連続.非常に良くできたストーリー展開で,単なるハートウォーミング作品かという楽観を見事に裏切る.
「セルピコ」(1973米 "Serpico"):
シドニー・ルメット監督(「十二人の怒れる男」),ピーター・マース原作,汚職が根強くはびこったニューヨーク市警を舞台に,正義の男セルピコ(アル・パチーノ)が敢然と戦う苦難の物語.素直にヒーロー物とは言えない切なさがリアルです.正義のために,ただ一人で戦うのは孤独です.「トレーニング・デイ」(2001)のようにはいかないものです.それでも正論を通したい人はリスクは覚悟の上で,良い点はセルピコ氏を見習いましょう.ちなみに実話に基づいており,セルピコ氏は映画公開時,スイスに存命だったそうです.
「フランケンシュタイン」(1994米 "Mary Shelley's Frankenstein"):メアリー・シェリーの原作に近付け,ホラー色を強めたケネス・ブラナー監督・主演,ロバート・デ・ニーロ怪演.製作は「ドラキュラ」(1992)に引き続きモンスター映画の再興を狙った巨匠フランシス・フォード・コッポラ.いやぁ,よく頑張ったですね,皆さん.ご苦労様.面白かったです.ちなみにフランケンシュタイン映画としては「ヤング・フランケンシュタイン」(1974)も悪くありませんが,カルト向きです.メル・ブルック監督・脚本,ジーン・ワイルダー主演・脚本なので,分かるヒトには何となく分かる.「私はフロンコンステインだ」と言い張るフランケンシュタイン博士の曾孫が主人公.要するにコメディです.
「ノー・マーシイ/非情の愛」(1986米 "No Mercy"):刑事(リチャード・ギア)と麻薬組織のボスの情婦(キム・ベイシンガー)が「手錠のままの脱獄」(1958)よろしく手錠で繋がったまま逃げ回ります.「手錠のままの脱獄」は白人のトニー・カーチス(ジェイミー・リー・カーチスの父親)と黒人のシドニー・ポワチエ(「夜の大捜査線」で主役のロッド・スタイガーを食った黒人初のオスカー俳優)が手錠で繋がれたまま脱獄する作品で,傑作です.「フレッド」(1996)は「手錠のままの脱獄」のリメイクで,ローレンス・フィッシュバーン(「ブレイド」のデカい黒人)とスティーブン・ボールドウィン(ボールドウィン兄弟の一人で,「ユージュアル・サスペクツ」,「スリーサム」にも出演)が主演です.またまた話が逸れましたが,「ノー・マーシイ」,リチャード・ギアとキム・ベイシンガー,どう考えてもこの組み合わせはフェロモン撒き散らしだろうの予想(期待?)通りの作品で,ストーリーよりもそちらに目が行ってしまう点では成功しているのかも知れないが,当時ならともかく,いま観ると「それだけ?」感が強い.
「ピンポン」(2002日):松本大洋原作のマンガの映画化.「ピンポン」はとても松本大洋らしい作品なのかも知れませんが,個人的には「鉄コン筋クリート」が一番好きです.それはさておき,本作以外にも「Laundry」,「凶気の桜」など続けざまに主演した窪塚洋介の力量や如何に,と期待して観ました.「Laundry」は窪塚頑張るも映画が今ひとつ気に入らず,だったのに対して本作は悪くない.松本大洋っぽさが映像として工夫されていなかったため,ウソくさく感じられますね.一番評価が高かったのは夏樹マリ(笑).いいねぇ,煙たい役柄をうまく演じています.「ザ・ホワイトハウス」のCJ.クレッグ報道官の声もイイです.

(2003年11月)
「オデッサ・ファイル」(1974米 "The Odessa File"):フレデリック・フォーサイス原作,主演はジョン・ボイド,悪役にマクシミリアン・シェル.舞台は1963年.ジャーナリストの主人公ミラーは,偶然,ナチスの元SS隊員(親衛隊: Schutzstaffel )をナチ狩りから守るための組織”オデッサ”の存在を知る.同じF・フォーサイス原作の「ジャッカルの日」同様に印象強いタイトルにグラっと来て観てしまったのですが,私の世代で”オデッサ”と云えば機動戦士ガンダムですね.ちなみにオデッサとは地名で,ロシアのウクライナ共和国南西部の街で,黒海第一の貿易港.戦艦ポチョムキンの反乱で有名だそうです.「戦艦ポチョムキン」(1925)はソ連で製作された有名な映画ですが,あいにくと未だ観たことはありません.何が言いたかったのか良く分からなくなりましたが,第2次世界大戦が終わっても,世界中では圧政や宗教的対立,人種間の対立の連鎖が途切れることはなく,'60年代だろうが21世紀だろうがナチ狩りはSS隊員が生存している限り続くことから考えて,現在の世界中の混乱が収束するjのはいつの日になるのか,論理的に考えるほど不気味な今日この頃です.
「パトリオット」(2000米 "The Patriot"):キリストを描いた映画「パッション」で物議を醸しているメル・ギブソン主演のアメリカ独立戦争を舞台とした愛国者映画.フレンチ・インディアン戦争で勇名を馳せた(つまり大量のインディアンを殺した)メル・ギブソンは7人の子供の良き父として静かに農夫として暮らしていた.折りしもイギリスの圧政に対する独立戦争が勃発し,血気盛んな長男が志願兵として参戦する.傷ついて帰還してきた長男が追走してきた英国軍に捕らえられ,その際に次男を殺され,更に家に火を放たれる.戦いを拒んでいたメル・ギブソンだが,息子たちを率いて叛旗を翻して参戦,民兵を率いてゲリラ戦を英国軍に対して仕掛ける.悪鬼のごとき戦いを繰り広げ,英国軍からは幽霊とし恐れられる存在になる.現在のイラクでの米軍とゲリラとの関係を考慮すると,色々と考えさせられる点があります.
「銀河伝説クルール」(1983米 "Krull"):巨大手裏剣を手にした主人公の写真だけ記憶に残っていたので,TVで観ましたが,いやぁ,SFファンタジーとは名ばかりのC級ファンタジーでした.「ダーク・クリスタル」(1982)がカルト受けしたのは分かるのだが,本作は一つとして目を引くところが無い.煮えきらず自覚も無ければ根性も無い主人公,中途半端に可愛いヒロインが妙に幼稚で感情移入は難しい.まぁ,こういう作品もOKだったという時代があったのだな,ということは資料的価値がある.盲導犬の映画ではありません.

「101」(1996米 "101 Dalmatians"):グレン・クローズ,ジェフ・ダニエルズ.脚本は「ホーム・アローン」のジョン・ヒューズ.犬好きには大いに楽しめる作品だったと思うのだけれども,可もなく不可もなく.
「ノーザン・ライツ」(1997):ダイアン・キートン,アレクサンダー・ポラック出演までは分かるのだが,それ以上の情報が無い.残念ながらストーリーも憶えていない.
「月はどっちに出ている」(1993日):
崔洋一(サイ・ヨウイチ)監督のデビュー作,と思っていたら実は「十階のモスキート」がデビュー作でした.本作品は劇場で観ました.邦画にしては面白かったと記憶していたのですが,いま改めて観るとドタバタ具合がスベり過ぎている(要するにコテコテ).
「アム・アイ・ビューティフル?」(1998独 "Am I Beautiful?"):ドイツ映画です...舞台はドイツとスペインで,愛をメインテーマとしています.繰り返しますがドイツ映画です.「ラン・ローラ・ラン」のフランカ・ボランテ主演のオムニバス風ロードムービー.灰色の雲に覆われたドイツと青く澄み渡る赤茶けたスペインという対照的な土地を舞台に複数の愛の物語が交錯します.悲しい話も多いのですが,妻を亡くした老紳士が亡妻を回想しながら「100人の女と恋をした」(妻であり,恋人であり,母であり,etc...)と語るシーンにはグッと込み上げるものがあります.

「ウェディング」(1978米 "A Wedding"):
監督・製作・原案・脚本に巨匠(?)ロバート・アルトマン,ミア・ファロー,リリアン・ギッシュ,ジェラルディン・チャップリンが脇に出演しているので観たのだが,やはり膨大な出演者が勝手気ままに(故伊丹十三監督の「お葬式」のごとく)ドタバタを繰り広げて,なんだか分からないけれどもハッピーエンドに収束してしまうアルトマン・パターン.これが巨匠ってもんなんでしょうか.リリアン・ギッシュの死体役とミア・ファローの艶姿に興味のある方はお好きにどうぞ.
「ファンダンゴ」(1985米 "Fandango"):ケヴィン・コスナー主演の青春映画.ヴェトナム戦争真っ最中の1971年,大学寮のルームメイト「グルーパーズ」の5人組のワグナーの独身最後のバチュラーパーティー.召集令状を受けたワグナーは結婚中止を宣言する.同じく召集令状を受け取ったグルーパーズのリーダー,ガードナー(コスナー)の発案で,グルーパーズの友情の絆を強めるべく,一路”DON”との再会を目指してメキシコ国境を目指す.人生の現実を直視するのを避けようとする青年たちの青春の葛藤がメキシコ国境へ向けてのハチャメチャロードムービーの形で驀進するのですが,意外とモラルの限界値が適当に設定されており,やり過ぎの0.5歩先(手前ではない)で踏みとどまっています.遠路はるばるやって来たメキシコ国境の町で,ワグナーはやはり結婚したいと仲間に打ち明けます.(実はワグナーの結婚相手に気のあった)ガードナーの音頭で急遽,結婚式を敢行する最後の盛り上がりは,(地元のヒトビトには迷惑な話だが)映画だから,まぁ,いいか.
「フィオナが恋していた頃」(1998米 "This is My Father"):アイダン・クイン主演,ジェームズ・カーン.モイア・ファレリー共演.悲しいお話です.父を知らずに育ったシカゴの歴史教師キアレン(カーン)はある日,寝たきりの母フィオナの若い頃の写真を見つける.その写真には自分と同じ名前をもつ青年キアレンが写っていた.自らのルーツを探すために母の故郷であるアイルランドにキアレンは旅立ち,そして母の悲しい恋の話,父の話を知る.アイルランド回帰2連発.「ネヒュー」の印象が薄いのはこのせいかな.監督・脚本のポール・クイン,撮影監督はデクラン・クイン.クイン三兄弟が母から聞いた故郷アイルランドの話を元にしているらしい.現在の生活にトラブルを抱え自信を失っていた主人公が自らのルーツを知り,現在を取り戻すというストーリーであるのだが,過去が理不尽で辛いため,素直にハッピーな気持ちになれないのが難点.

「ネヒュー」(1998アイルランド "The Nephew"):ユージーン・ブレディディ監督,ヒル・ハーバー,ドナル・マッカン,ピアース・ブロスナン出演.ピアース・ブロスナンが自ら起こしたプロダクション/アイリッシュ・ドリームタイムで製作した最初の作品.アイルランドのイニシュダラ島が舞台.20年前に家出した妹カレンが死の床から送った手紙を受け取ったトニーは,カレンがアメリカで生んだ一人息子チャド(つまりトニーの甥)を港で待つ.船から降りて来たのは黒人とのハーフの青年だった...島の人々はそのビックニュースに戸惑いを隠せない.カレンの過去には何があったのか.なんだったっけ,忘れてしまいました...
「マンハッタン」(1979米 "Manhattan"):ウディ・アレン監督・主演.共演はダイアン・キートン,マリエル・ヘミングウェイ,メリル・ストリープ.「マンハッタン殺人ミステリー」(1993, "Manhattan Murder Mistery",ウディ・アレン&ダイアン・キートン)とは別の作品です.モノクロ映像+ガーシュウィンの”ラブソディー・イン・ブルー”が印象的.ニューヨークを愛する鬼才ウディ・アレンの中期の傑作(らしい).粋な会話,シャレた映像とカメラワーク.そして優柔不断でインテリなモテる小男アレン.マリエル・ヘミングウェイはあの作家アーネスト・ヘミングウェイの孫娘.本作品でアカデミー助演女優賞にノミメートされています.かなり昔,キャノンのEOSのCMに出ていたのを覚えています.さて,私が観たのはマリエル狙いだったせいか,あまりストーリーを覚えていません.うーん,まぁ,アレンだからね.
「トゥルーナイト」(1995米 "First Knight"):ショーン・コネリー,リチャード・ギア,ジュリア・オーモンド,ジョン・ギールグッド出演,ジェリー・ザッカー監督.ジェリー・ザッカーと言えば「フライング・ハイ」,「トップ・シークレット」(らぶりー),「裸の銃を持つ男」といったバカ丸出しの傑作コメディの監督・脚本で知られるザッカー兄弟の一人.ちなみに「裸の〜」で脚本を共同執筆したジム・エイブラハムズもかなりのヒト.とはいえ本作はコメディではありません.伝統的なアーサー王の物語を剣士ランスロット(ギア)と王妃(オーモンド)のラブ・ロマンスとして描いた真っ当な作品.したがって,あまりストーリーが記憶に残っていない...

「チャイナ・シンドローム」(1979米 "The China Cyndrome"):ジェーン・フォンダ,ジャック・レモン,マイケル・ダグラス出演,ジェームズ・ブリッジス監督の社会派ドラマ.ジャック・レモンのファンとしては以前から観たくて観たくてたまらなかったのだが,なかなかチャンスに恵まれなかった作品.タイトルにもなっているチャイナ・シンドロームとは,原子炉が暴走して炉心が露出し,溶融物がそのまま地殻を溶かしながら地球の反対側の中国にまで達する事態(=つまり最悪の事態)を指す.当然ながら溶融した炉心は万が一,地殻を溶かし重力に引かれて落下を始めても地球の反対側まで”登る”ことは無い.中学生の頃に読んだ加納一郎の少年少女向けドタバタSF小説に
荒馬と是馬という大食漢の兄弟が登場するシリーズがあった.この作品の中に出てくる博士が過剰に頑丈な家を作ったら地盤沈下を起こし,そのまま地球の裏側に到達したという話があったのだが,たとえ中学生でもそれがウソなのは分かった.しかし幼稚園生の頃,雨が降っている中,傘をささずに外に出ると「チュウゴクの放射能で頭が禿げる」と脅されたのは素直に信じた(お父さんお母さんに聞いてみて下さい.ウチだけか?).きっと米国人がチャイナを恐れたのとは時代的に無関係では無いと思う.TV局の人気キャスターのフォンダとカメラクルーのダグラスが原子力発電所で取材を行っている最中に,異常事態が発生する.技師のレモンが冷静な指示を行い事態は収まるのだが,撮影を禁止されているにも関わらずTVクルーは一部始終を隠し撮りしていた.専門家に映像を見せたところ,かなり深刻な事態であったことが判明する.スクープを放映しようとするが,放送局の上層部によりモミ消される.冷静に対処したレモンの側も事態の重さを認識しており,調査を行った結果,手抜き工事が原因であることを突き止めるが,これも電力会社の上層部によりモミ消されそうになる.内部告発するために,ただ一人で奮闘するレモンは,お世辞にもスマートではない.万策尽きたレモンは制御室を占拠して篭城する.これ以上はバラす訳にはいきませんが,正義のために全てを白日の元に晒そうとTVカメラに向かって訴えかけるジャック・レモンの必死な姿は,もどかしくも鬼気迫るものがある.緊迫した状況で,お説教くさく出来過ぎた演説をキメることなどできる訳が無く,異常なほどのリアリティをもつラストシーンは絶品です.これは,傑作です.
「キートンの電気屋敷」(1922米 "The Electric House"):
「キートンの船出」(1921米 "The Boat"):
「キートンの即席百人芸」(1921米 "The Play House"):
「キートンの強盗騒動」(1920米 "Cops"):
「キートンのハードラック」(1921米 "Hard Luck"):
「キートンのハイ・サイン」(1921米 "The High Sign"):

「キートンの化け物屋敷」(1921米 "The Haunted House"):
「キートンのゴルフ狂の夢」(1920米 "Convict 13"):

「キートンの文化生活一週間」(1920米 "One Week"):活劇王バスター・キートン(浦沢直樹の「マスター・キートン」のタイトルはこのパクリです)のサイレント作品群.1本あたり30分程度.小柄なバスター・キートンが,これでもかこれでもか,CGではなく紛れも無い実写でコテコテのアクション・コメディを演じます(実写版「トムとジェリー」があれば,こんな感じでしょう...).モノクロ映画のコメディスターとしてはチャップリンが有名ですが,バスター・キートンはTV放映こそ少ないものの映画初期の大スターです.今回はBS2が一挙に放映してくれましたが,こういう機会が無いと目にすることがない貴重な作品群です.特に「文化生活一週間」は仕掛けも大掛かりで,現在見ても見応え十分です.
「2番目に幸せなこと」(2000米 "The Next Best Thing"):マドンナ,ルパート・エヴェレット共演.マドンナは説明不要でしょうが,エヴェレットについては少々補足.「ベスト・フレンズ・ウェディング」(1997)でジュリア・ロバーツの親友でゲイのジョージ役を演じたが,本作品でもゲイを演じる.実生活でもゲイであることを告白して確固たる地位を確立している実力派役者(からかっているのではありません).失恋により落ち込んだヨガのインストラクターのアビ−(マドンナ)と,親友でゲイのロバート(エヴェレット)が,酔った勢いで一夜を共にし,アビ−は妊娠.生まれる子供の良き両親となろうということでアビ−とロバートは結婚する.親友と親友のまま結婚生活を送る幸せな日々は6年続くが,ここで問題発生.アビ−に恋人ができる.アビーはロバートと離婚し,養育権を奪おうとするが,ロバートは訴訟を起こして関係は泥沼に陥る.そして最後は...あれ,どうなるんだったか忘れてしまった.マドンナのサービスシーンもありますが,エヴェレット・ファンにとっても見応えのある作品です...
「キル・ビル Vol.1」(2003米 "Kill Bill Vol.1"):「パイレーツ・オブ・カリビアン」に引き続きワーナーマイカル・シネマズ・ベルシティ鈴鹿で観てきました.もう言うまでもありませんのクウェンティン・タランティーノ監督.主演はユマ・サーマン,共演はルーシー・リュー,ダリル・ハンナ(いつ観ても美人!今回は出番が少ないが,Vol.2での活躍が大いに期待できるイカし加減),さらにサニー千葉,ジュリー・ドレフュス,栗山千明と日本の観客にとっては分かり易いキャスティング.タランティーノのオタクパワー全開の本作品,監督本人のキャラクタのせいもあるのだろう,イヤな感じが全くしないから不思議だ.
「ビバリーヒルズ・バム」(1986米 "Down and Out in Beverly Hills"):ポール・マザースキー監督作品.主演はニック・ノルティ(「48時間」のデカい白人),リチャード・ドレイファス(「アメリカン・グラフィティ」や「未知との遭遇」),そしてベット・ミドラー(「殺したい女」,「ビッグ・ビジネス」:2003/6参照)と個性的.高級住宅地に紛れ込んだ浮浪者が巻き起こすドタバタコメディで,「素晴らしき浮浪者」('32年,ジャン・ルノワール監督)の翻案再映画化作品.かすかに'86年当時の映画CMを覚えており,楽しみにしていたのだが,まぁ,予想の範囲の展開だった.クリーニング屋で使う針金ハンガーの大量生産で財を成したデイブ・ホワイトマン氏(ドレイファス)宅のプールで浮浪者のジュリー(ノルティ)は自殺を図る.もちろん失敗するのだが,デイブは彼にしばらく滞在するように勧める.妻(ミドラー)との間がうまくいっていないどころか,メイドのカルメンとは不倫をしており,息子のマックスは(隠れ)ホモ.大学に行っている娘のジェニーは拒食症.経済的には豊かだが心の荒んでいる上流社会を風刺したコメディなのかと思わせておいて,実は色合いが多少異なる.謎の男ジュリーと接することで”自らに正直に生きる”ことで狂っていた歯車が噛み合って幸せになったホワイトマン一家に,アウトサイダーであらんと欲したジュリーが最終的には取り込まれていく.当時としてはハチャメチャ路線を狙ったのかも知れないが,監督が「ハリーとトント」のマザースキー監督なので,そうむちゃくちゃにはできなかったのか,それともそういう時代だったのか?

(2003年10月)
「バーティカル・リミット」(2000米 "Vertical Limit"):クリス・オドネル主演,ビル・バクストン共演.「クリフ・ハンガー」で”やだなー,知人の犠牲の上にいまの自分があるなんて,辛すぎるよ”と後味悪く感じた人は要注意.ドカンドカンと人が死にます.足し算引き算の問題では無いのは良く分かるのですが,やっぱりスッキリできません.
「トリック/劇場版」(2002日):TV版と同じく堤 幸彦監督による劇場作品.出演者はTV版と同じです.トリックネタも同程度.うーん,映画館で観なくちゃならないポイントはあまり有りませんが,三度の飯より仲間由紀恵が好きな人は大画面で動く仲間由紀恵に涙を流したのでしょう.弁護しますが,面白かったですよ.
「ドクター・ドリトル」(1998米 "Dr.Dolittle"):主演は「48時間」(1982),「大逆転」(1983),「ビバリーヒルズ・コップ」(1984)と立て続けにヒット作を飛ばしながら,その後しばらくスランプ状態に陥ったマシンガントークが売りのコメディ俳優エディ・マーフィ.動物と会話ができるドリトル先生といえばヒュー・ロフティング作の「ドリトル先生」シリーズ(翻訳は井伏鱒二).本作は現代が舞台.子供の頃に動物と話ができたジョン・ドリトルだが,異常と判断した父親によって動物から遠ざけられ,その能力は一時的に消えてしまった.成長して(人間の)医者になったジョン,ある日,突然,その能力が蘇る.その噂は動物界に広く伝わり,多くの患者(動物)が詰め掛ける.最初は冷たく追い返していたジョンだが,徐々に心を開く.ところがそんなジョンを正常ではないと判断した同僚や家族によって精神病院に送られる.最終的には能力を皆に認めて貰ってハッピーエンドなのだが,この作品の拾い物は同僚医師のリチャード・シフ.弱々しげな声を出す彼ですが,NHKで放送されている「ザ・ホワイトハウス2」ではトビー・ジーグラー広報部長を重厚に演じています.
「イーストウッドの肖像」:これは映画ではありません.ドキュメンタリー番組ですね.NHK-BSがイーストウッド特集を行った際に放送されたもの.イーストウッドへのインタビューを中心に,40年以上に渡る映画人生を友人知人・共演者たちのインタビューや出演映画のシーンを繋げ,生い立ちから現在までを紹介.
「フォーエヴァー・ヤング」(1993米 "Forever Young"):主演メル・ギブソン,共演ジェイミー・リー・カーチス,イライジャ・ウッド.1939年,アメリカ空軍のテストパイロットだったダニエル(ギブソン)は恋人ヘレンにプロポーズの言葉を伝えられないでいた.ある雨の日,ヘレンは交通事故に合い,瀕死の重症で昏睡状態に陥る.ダニエルは友人の科学者ハリーが開発している冷凍睡眠装置の実験台に志願し、ヘレンが昏睡状態から醒めるのを待つことに(ちょっとムリがある).ところがハリーは爆発事故で命を落とし,あろうことか,冷凍睡眠装置は倉庫の中で(電源供給を絶たれることも無く)存在を忘れられて現代に到る.悪ガキたち(イライジャ・ウッド)によって解凍されたダニエルの運命や如何に? まぁ最後はありがちなハッピーエンドですが,その手の映画として,設定にムチャクチャなところはありますが,ほどほどに楽しむことができました.飛行機乗りが主人公のせいでしょうか,「オールウェイズ」(1989)と勘違いしており,オードリー・ヘップバーンが出ないじゃないか,とボヤいた記憶があります.(個人的に大ファンの)ゴールディ・ホーンが大女優メリル・ストリープと共に怪演した「永遠に美しく...」(原題は"Death Becomes Her", 1992)とは異なり,”いつまでも若いままでいたいんだ!”という話ではなく,正真正銘の浦島太郎(竜宮城で楽しむ代わりに冷凍睡眠装置で爆睡,という点が割に合わないが)物語.タイトルから推測するストーリーとは異なるので注意が必要ですね.

「グレート・ボールズ・オブ・ファイヤー」(1989米 "Great Balls of Fire!"):50年代に若者たちに熱狂的な人気があったロックスター,ジェリー・リー・ルイスの伝記映画.主演はデニス・クエイド,共演はウィノナ・ライダー,アレック・ボールドウィン.'56年,従兄のブラウンを頼ってメンフィスにやってきたルイスは,弾けた音楽的才能によりエルヴィスに並ぶロックスターへの階段を昇り始める.上り調子の人間にありがちなテング状態をクエイド,熱演.従兄のブラウンの娘で13歳のマイラ(ライダー)と,なかば強引に結婚しただけでも大問題なのに,前の妻とは離婚が成立していないことが発覚して重婚騒動.良識ある人々からは”悪魔の音楽”だけでも頭痛の種だったのに,もう我慢の限度を超している.米国に比べて保守的な英国でのツアーは散々な結果となる.どうして皆,有名人になるとタガが外れるんでしょうか...「ルーカスの初恋メモリー」(1986,観ていません)でデビューし,「ビートル・ジュース」(1988),「シザー・ハンズ」(1990)といったティム・バートン作品でエキセントリックな魅力を発揮し,「エイジ・オブ・イノセンス」(1993)でゴールデン・グローブ助演女優賞を受賞,「リアリティ・バイツ」(1994)で十分に観客を呼び込める女優として成功したかに見えたウィノナ・ライダー,2001年の年末に万引きで逮捕という未来を誰が予想しただろうか.
「ブラスト!
」:これは映画ではありません.1984年にインディアナ州で元会社員のビル・クックが発起人となって結成された”スター・オブ・インディアナ・ドラム&ビューグル・ゴー”が前身.'01年トニー賞を受賞した「ブラスト!」が日本上陸したのを機に,TV放映されたもの.内容は世界トップレベルの演奏者による金管楽器と打楽器によるダンスありマーチングありの華麗なエンターテイメントです.技巧も素晴らしいが,それを”見せる”演出もズバ抜けている.でもゴメンなさい.日帰りツーリングで疲労困憊していたため,途中で少しコックリコックリしてしまいました...
「ペイルライダー」(1985米 "Pale rider"):製作・監督・主演がクリント・イーストウッド.共演はマイケル・モリアーティ.「マローン/黒い標的」同様に「シェーン」スタイルのウェスタン.ゴールドラッシュで賑わうカリフォルニアで土地の権利を巡る権利者と住民の戦いに,謎の男(イーストウッド,最後まで名前は明らかにしない)が巻き込まれる.タイトルの”ペイルライダー”ですが,ヨハネの黙示録に出てくる一節,”七つの封印のうち四番目のものが解かれた時に現れる生き物で,青白い馬に乗り,「死」という名を持つ乗手で,「黄泉」という名の従者を従えている”.paleはオケ(それはpail)ではなく,青白い,青ざめたという意味です.イーストウッド演じる謎の人物は,一見,ならず者の流れ者のように見えるが,牧師らしいことから,集落の人々からはプリーチャー(preacher::伝道者)と呼ばれる.悪者たちに愛犬を殺された少女の祈りに合わせて登場するシーンからして,いかがわしさ一歩手前の神々しい雰囲気がある.実はシェーンのパクリのように見せながら,もっとオカルト的な要素のある作品で,「荒野のストレンジャー」(1972)のリメークだという説もある.悪人に支配された街を救う(1)流れ者の正義の味方,(2)謎の宇宙人や生き物,(3)幽霊(かも),と分類すると(3)であり,チャーリー・シーン主演のバイオレンスアクション「処刑ライダー」(1986)の系統と言える.(1)の正義の味方は胸がスカッとするのに比べて,(3)はヒーローが強い理由が(日本人には)納得し難く,多少,後味が悪い.いっそ,ゴジラや大魔人のように強くて当然な(2)の方が私には向いている.
「陰陽師」(2001日):安倍晴明を野村萬斎,源博雅を伊藤英明,道尊を真田広之,蜜虫を今井絵理子が演じる.正直言って面白くなかった.NHKで放映されたTVドラマの方がシットリとした魅力があった.映画なのだから,いっそのこと大スペクタクルでもあれば,と期待したのですが,まったくストーリーが記憶に残っていない.
「グッドマン・イン・アフリカ」(1994米 "A Good Man in Africa"):ウィリアム・ボイド原作・脚本.コリン・フルールズ主演,ショーン・コネリー,ジョン・リスゴー,ルイス・ゴセットJr共演.監督は「「ドライビング・MISS・デイジー」 のブルース・ベレスフォード.独立間もない西アフリカの小国に赴任したイギリス人外交官モーガンは出世コースから外れたことに落胆し,自堕落な生活を送っている.そんな彼に出世のチャンス(まぁ,悪事の片棒担ぎですね)が巡ってくる.そんな折,急病で駆け込んだ病院で20年以上もこの地で働き,”グッドマン”と呼ばれる白人医師アレックス・マレー(コネリー)と出会う.すったもんだの末に,マレーは事故で亡くなってしまうのだが,その死の間際にモーガンはマレーの志を継ぐことを誓う.南米奥地で癌の特効薬を独りで研究する孤高の科学者を演じた「ザ・スタンド」(1992)に比べて,コネリーの扱いは淡々としており緊迫感に乏しいが,悪い作品ではありません.ちょっとガッカリしただけです.
「御法度」(1999日):久しぶりに邦画を,と思ったのが運の尽き.大島渚監督とビートたけし(土方歳三)主演とくれば「戦場のメリークリスマス」じゃないか!と期待したのですが裏切られました.松田勇作の息子の松田龍平(加納惣三郎),武田真治(沖田総司),浅野忠信(田代彪蔵),崔洋一(今回は監督ではなく役者として出演ですね.近藤勇).(松田龍平を除いて)役者は問題無さそうに見えたのですが,ストーリーが面白くない上にオチの盛り上げにも大失敗.
「スパイ・キッズ」(2001米 "Spy Kids"):すみません,高専ロボコン/東海北陸地区大会の出張中にホテルのTVで観てしまいました.確か映画の予告編をビデオで観たときに「なんでアメリカ人はこういうお子様映画が好きなんだろーねー.バンデラス,作品選べよ」と文句を言った記憶があります.だって,そうでしょう.元スパイの夫婦が過去を隠して育てた姉弟.悪の組織に捕まった両親を救出するために,スパイグッズを装備して,いざ出陣,ですよ.お子様に何ができる! ところがですよ,最後まで観てしまいました.監督は低予算映画(約77万円!)の「エル・マリアッチ」(1992)でハリウッドのド肝を抜いた(当時24歳の異才)ロバート・ロドリゲス.アントニオ・バンデラスとは「デスペラード」(1995)で組んでいる.クウェンティン・タランティーノら4人の若手監督で撮影した「フォールームス」(1995)でもバンデラスと組んでいる.本作にもちょっとだけ出てくるジョージ・クルーニーと組んだ「フロム・ダスク・ティル・ドーン」(1996)でもドタバタ活劇を監督している.音楽は「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」(1993)のダニー・エルフマン.なるほど,面白いわけだ.
「ブラボー火星人2000」(2000米 "My Favorite Martian"):乗っていた宇宙船の故障で地球に不時着した火星人(クリストファー・ロイド)を助けたTVプロデューサのティム(ジェフ・ダニエルズ).この一大スクープをものにすべく彼を”マーティン伯父さん”として同居させ,宇宙船の修理を手伝うフリをする.ティムが惚れている高飛車なTVレポータ役をエリザベス・ハーレイが,イヤになるくらい見事な”ヤな女”っぷりで好演.色気なしに見せつつ実はキュートなTVカメラマン役のダリル・ハンナは,キャスティング・ミスだろと思いきや予想を上回る好演.1963年に白黒TVドラマとして放映された作品のリメーク映画化作品らしい.クリストファー・ロイドといえば「バック・トゥ・ザ・ヒューチャー」のドク.ちょっとエキセントリックな風貌と挙動はとても火星人らしくて(火星人マニアの方,ごめんなさい)お見事.アホらしさはセオリー過ぎて退屈なはずなのに,予想以上に楽しめたのは「Mr.マグー」レベル.出演者に救われている感もある.ただ,やかましく騒いで踊る宇宙服のズート(一部で「ぴょん吉」と云う説も)はとっても目障りだった.高度な科学力と知性をもつ火星人が創造したとは到底思えず腹立たしい.
「第一の嘘」(1999米 "The Big Brass Ring"):州知事候補であるブレイク(ウィリアム・ハート)には人に知られてはならない過去があった.問題児の兄の存在を隠していたのなら,まだありがちな話なのだが,徴兵を逃れるために,その兄がブレイクの代わりに戦場に行き,そして消息を絶った.その兄が生きているという情報やさらに”ヒミツの写真”が養父によって暴露されかかったり(これは対立候補が元KKKのメンバーである証拠写真で撃退)と,「パーフェクト・カップル」ばりの権謀術数の駆け引き.オーソン・ウェルズが生前に書き残した脚本を映画化した作品.スクープ狙いのTVレポータ役でイレーヌ・ジャコブが惜しげもなく妖艶な演技を披露する.
「オーロラ殺人事件」(1979英・加 "Bear Island"):(若くて精力的な)ドナルド・サザーランド主演,ヴァネッサ・レッドグレイブ,クリストファー・リー共演.なぜ「熊島」が「オーロラ殺人事件」という邦題になったのかは全くの意味不明.第2次世界大戦中はドイツの潜水艦Uボートの秘密基地,そして現在はNATO早期警報システム拠点になっている「ベア島」に,国際気象調査隊の一行がやってくる.その基地を中心として殺人事件が続けて発生する.各国の混成部隊である調査隊員間に不信感が蔓延するのは冷戦時代の映画の定石ですね.まぁ,非常に分かりやすいオチではありますが,Uボートのヒミツ基地に隠された財宝(金塊)を狙うナチス残党の仕業である.以上.

(2003年9月)
「らせん」(1998日):こちらは佐藤浩一が中心になってストーリーが進む.「なんでビデオで呪われるんだ?」という疑問に対して心理学的な解説を選択せず,敢えてハチャメチャなウィルス感染説を展開するという驚きの飛躍を遂げる.「リング」との同時公開と資料にはあるけれども,そうなんですか? 私はどちらも原作を読んでいません.強引だなぁと思う反面,科学知識や論理性をホラーに持ち込んで読者を無理なく納得させようと試みる手法は,原作の鈴木光司氏と同時期にデビューした瀬名秀明氏の「パラサイト・イブ」(1997)にも共通するテクニックですね.理系のヒトビトも「そりゃトンデモ理論だよ〜」と言いながらも楽しめます.ちなみに私の中でのトンデモ理論のナンバーワンは「賢者の石」(コリン・ウィルソン著,創元推理文庫)です.そりゃもう,読み終わった後に,これは本当にフィクションなんだろうか?と背筋がゾクゾクしたのを良く覚えています.
「リング2」(1999日):前作「リング」の続編で,劇場用のオリジナル脚本.前作で死んだ真田広之の恋人(ということになっている?)の中谷美紀が事件の真相を追う過程で,前作で死ななかった松嶋菜々子とその息子に出会う.貞子の秘密らしきものが多少付け加えられるが,基本的に”はやく成仏してくれぇ〜”である.怖いといえば怖いが,いかがわしい理論で貞子を分解しようという目論みは,「エンティティ 霊体」(1982米,バーバラ・ハーシー扮する主婦を襲う幽霊を冷凍させるための大掛かりな実験装置が登場)同様に失敗する.こういう時に死んだ人間(真田広之)の残留思念みたいなものが助けてくれて事なきを得るというのは「ゴジラVSビオランテ」(1989)並にガックリと来るのだが,ものがもの(オカルト)だけに,まぁ許しましょう.でもね,やっぱり松嶋菜々子の台詞回しは聞き取りにくくてno goodだ.菜々子ファンの皆様には申し訳ない.
「レ・ミゼラブル」(1997米 "Les Miserables"):ジャン・バルジャンの波乱万丈の人生を描いたビクトル・ユーゴーの名作「ああ無情」の映画化.「シンドラーのリスト」のリーアム・ニーソンが主役のジャン・バルジャン,「パイレーツ・オブ・カリビアン」の悪役ジェフリー・ラッシュがジャベール警部,ユマ・サーマンが(更正して市長になった)ジャン・バルジャンに救われる娼婦ファンテーユ,その娘をクレア・デーンズ.巨匠クロード・ルルージュ監督の「レ・ミゼラブル」(1996仏,ジャン=ポール・ベルモント主演)は「ああ無情」をベースに20世紀初頭の物語となっているのに対して,本作は原作を忠実に映画化.有名なんだけれど,ストーリーを知らない人は,薄幸そうなユマ・サーマンとキュートなクレア・デインズを観るためだけでも良いので観てみましょう.長大な原作の映画化なので,登場人物が省略されていたりするそうですので,これを機に原作を読んでみるのも良いでしょう.
「キス・オブ・ザ・ドラゴン」(2001米仏 "Kiss of the Dragon"):製作・脚本は近頃ハリウッドでの活躍が増えたリュック・ベッソン.主演はジェット・リーとブリジット・フォンダ.中国人捜査官リュウ(ジェット・リー)が中国人ギャング逮捕の捜査協力のためにパリへやって来る.フランス人捜査官リチャードの罠に嵌められて絶体絶命.フォンダ扮する娼婦ジェシカの協力を得て,ああ,めでたし.ワイヤアクションやCGに頼らない生身のジェット・リーのアクションの切れは最高です.
「パイレーツ・オブ・カリビアン」(2003米 "Pirates of the Caribbean"):米誌ピープルで最もセクシーな男性に選ばれたジョニー・デップがエキセントリックな海賊に扮して変な活躍をする海賊映画.ワーナーマイカルシネマズ鈴鹿で観て来ました.劇場で映画を観たのは久しぶり(サラリーマン時代には毎週,有楽町で2本観ていたのがウソのよう).はっきり言いましょう,「笑え!」.ジョニー・デップ登場シーンからして澄ました顔で観ているのは不可能.オーランド・ブルームの二枚目ぶりも,ゴージャスかつ毅然として美しいヒロインのキーラ・ナイトレイ,曲者ジェフリー・ラッシュも好演.ちなみにジェフリー・ラッシュは「シャイン」(1995豪)で主役のデイヴィッド・ヘルフゴッドを演じていたらしいが,印象が余りにも異なるので,未だに納得できない...
「マンハッタン・ラプソディ」(1997米 "The Mirror has Two Face"):「マディソン郡の橋」のリチャード・ラグラヴェニーズの原案・脚本を「サウス・キャロライナ/愛と追憶の彼方」のバーブラ・ストライサンドが監督・製作・主演.出演はジェフ・ブリッジス,ピアース・プロスナン,ローレン・バコール(!),ミミ・ロジャースと豪華.コロンビア大学の数学教師グレゴリ−(ブリッジス)は過去の手痛い失恋の後遺症か,美人恐怖症気味.一方,同じ大学で文学を教えるローズ(ストライサンド)はゴージャスな母(バコール),美人の妹(ロジャース)とは対照的に地味でロマンスとは無縁.グレゴリ−は見かけの美醜よりも内面の美しさを重視する方針転換を図り,新聞に”知的なパートナー求む”の広告を出す.この広告に妹のクレアが勝手にローズの写真を添えて返事を出したところからグレゴリ−とクレアの付き合いが始まり,そして結婚.プラトニックな結婚生活に不満は無かったはずのローズだが,ある日,欲求不満の自分を発見,グレゴリ−に迫るが拒否される.混乱するグレゴリ−との関係は一旦,破局したかに見えるが,最後は一件落着.NYを舞台にした文字通りの狂想曲.年齢を重ねても美しさの衰えないバコールだけでも一見の価値がある.

「オスカー・ワイルド」(1997英 "Wilde"):文豪オスカー・ワイルド(1854年〜1900年)の伝記映画.主演のワイルド役には骨太なスティーブン・フライ.幾何学的な美形ジュード・ロウも好演.19世紀末,詩人として成功を収めたオスカー・ワイルドは妻と子を得て充実した生活を送っていた.そんなワイルドがロバート・ロスという青年により同性愛への道を教えられ,知らず知らずのうちに耽溺していく.ポジ−ことアルフレッド・ダグラス卿(ジュード・ロウ)と出会い,恋に落ちる.ここから先は転がり落ちる一方.すったもんだがあった末にワイルドは同性愛の罪で2年間の実刑判決.「離婚はしない.出所するまで待っている」という妻の言葉を胸に苦しい懲役に耐えて出所したら妻は病死しておりこの世に無い.やめりゃいいのにボジーを追ってイタリアへ行ったものの3ヶ月で破局.1900年に梅毒による脳髄膜炎でこの世を去る.数々の傑作戯曲(恥ずかしながら私は一つも知らない...)を残したにも関わらず,経済的に困窮したり,同性愛に走った挙句に人間関係を壊して回る.なぜもっと幸せになってくれないのか歯痒いものである.「太陽と月に背いて」(1995英,レオナルト・ディカプリオ)の詩人ポール・ヴェルレーヌとアルチュール・ランポー,「キャリントン」(1990英仏,エマ・トンプソン,ジョナサン・プライス)の作家リットン・ストレッチーにしろ,なんとかならなかったんでしょうか.特に「キャリントン」は哀しい.
「ケラーマン」(1971米 " Who is Harry Kellerman and Why is He Saying Those Terrible Things About Me?"):日本劇場未公開,ダスティン・ホフマン主演.タイトルも「マイドク」(”いかにしてマイケルはドクター・ハウエルと改造人間軍団に頭蓋骨病院で戦いを挑んだか”の略.ただし原題は"Death warmed up".キテレツな邦題に話題性はあるものの,中身が期待外れでガッカリしたという話も聞く)的に怪しく(意訳すると「ケラーマンって誰さ.なんであいつはオレに関してあんな酷い事を言って回るんだ?」),オープニングでホフマンはペントハウスの自宅のテラスから足を滑らせて延々と地面に向かって落下し続けるわ,いかにも実験的作品で,日本で劇場公開しても興行収益期待できなさそうな佳作.プロットは複雑で先が読みにくいけれども,少なくとも前半はグイグイと引っ張り込まれる魅力あり.

「京極夏彦 怪 七人みさき」(2000日):(以前に雑誌のコラムで目にした話だと)1日1冊本を読む読書家で膨大な知識を駆使した長編時代物を書くベストセラー作家である,京極夏彦氏が,自身の作品を脚色し,さらにチョイ役で出演している.もともとはWOWOWで放映されたTVシリーズを劇場用に再編集した作品.出演は佐野史郎,田辺誠一,遠山景織子,ひかる一平.ちょっとアダルト+怪奇風味のサスペンス時代劇.ちょ,ちょっとアダルトの度合いが強くて,食事中に観ると箸が止まると思います...京極夏彦氏の作品を読んだ,あるいは目にしたことのある方ならご存知でしょう,長編が多い.基本的に長編が好きな私ですが,いまのところ1冊も読んだことがありません(嫁さんは好きでよく読んでいます).この映画を観たから京極氏の小説を読みたくなる/読みたくなくなる,ということはありませんでしたが,一体どういうジャンルの小説を執筆するのか,(極めて大雑把ですが)雰囲気は掴めました.
「ビッグ・ウェンズデー」(1978米 "Big Wednesday"):1960年代カリフォルニアの”サーファー野郎”(蔑称でもある)の若造たちの青春物語.主演はTVシリーズ「エア・ウルフ」で名優アーネスト・ボーグナインを相棒に,世界最強の戦闘ヘリコプターを駆って悪を倒すニヒルなヒーローを演じたジャン=マイケル・ビンセント,TVシリーズ「アメリカン・ヒーロー」で宇宙人から世界の平和を守れと渡された真っ赤なタイツ(正式名称UFOスーツ)で空を飛び回る高校教師を演じたウィリアム・カット,それとゲイリー・ビジー(この人は知らない)の3人.天才サーファーとして名を馳せ,青春を謳歌していた若者たちに厳しい現実,ベトナム戦争が襲い掛かる.時代は変わり,人も変わり,もうあの青春の日々も友情も戻ってこない.まぁ,素直に諦めて毎日きびきび働けよ!と言いたい所に,伝説の大波「ビッグ・ウェンズデー」がやって来る! サーファー映画といえばコレだという定番映画です.ちょっと馬鹿にしたような書き方していますが,’60年代カリフォルニア文化,特に若者文化を知るには良い映画です.
「ポルターガイスト」(1982米 "Poltergeist):
原案・製作・脚本にスティーブン・スピルバーグ.監督はトビー・フーパー.音楽はジョン・ウィリアムズ.「ああ,スピルバーグって本当に凄いな」と素直に感動できた時代の作品.もうストーリーについて説明する必要は無いですね.

(2003年8月)
「クロコダイル・ダンディー」(1985豪 "Crocodile Dundee"):
原案・主演はポール・ホーガン,共演はリンダ・コズラウスキー.オーストラリア奥地でガイドの仕事をする野蛮人,ニック・ダンディー.NYの大新聞社社長の娘スーは,オーストラリアでの取材の折り,”何十匹ものワニと格闘の末に無事に生還した奇跡の男”の噂を耳にし,直撃取材を試みる.もちろんこれは単なる法螺話.一緒にオーストラリア奥地の旅を続ける過程で,単に野蛮なだけではなく,不思議な能力と暖かな人柄に徐々にスーは惹かれていく.そして一転してNY.話題の”クロコダイル・ダンディー”を都会に招いての大混乱.田舎者だ,わはは,大笑い.という展開ではなく,逆にコンクリート・ジャングルでも衰えることのないダンディーぶりを発揮して大活躍する.田舎者の大活躍という意味では「伊賀のカバ丸」かと云う作り方もできるところを非常に骨太かつ上品に仕上げ,そのうえ恥ずかしいまでのラブコメで幕を閉じるあたりは邦画とは一味違う大人の娯楽.何度観ても,これは痛快.
「パーフェクト・カップル」(1998米 "Primary Colors"):アメリカ南部の州知事ジョン・トラボルタが大統領就任を目指して選挙活動を繰り広げる.クリントン元大統領夫妻(妻役はエマ・トンプソン)に酷似した風貌が公開当初,話題になったらしい.人を惹きつける魅力的な風貌と話術で政治の世界を渡り歩き,とうとう大統領選挙に出馬した矢先に,”不適切な関係”並みのスキャンダルが暴露される.妻のヘアスタイリストとの不倫疑惑,徴兵忌避による逮捕疑惑,ベビーシッターの妊娠疑惑.もちろんやられっ放しではなく,ビリー・ボブ・ソーントン扮する選挙コンサルタント,キャシー・ベイツ扮する”スキャンダル掃除人”が大活躍して,大馬鹿たれギリギリの大統領候補を盛り立てる.政策ではなく人気投票で世界最強国のリーダーを決して良いのか?という硬派な社会派ドラマ...のはずだが,「すばらしい!」と感動した記憶は残っていない.
「マルホランド・ドライブ」(2001米・仏 "Malholland Drive"):「ザ・リング」のナオミ・ワッツ主演.デビッド・リンチ監督.はっきりいって1回観ただけではストーリーが全く分かりません.最後の最後でどんでん返しをされるので,もう一度頭から見ないとダメ.この作品,好きなヒトは思いっきり耽溺し,嫌いなヒトは一刀両断するタイプの映画です.どちらのヒトビトも納得するであろう特筆すべき点は,黒髪の美女リタ役のローラ・ハリング.見事です,はい,文句ナシ.
「インソムニア」(2002米 "Insomnia"):こちらは「メメント」のクリストファー・ノーランの監督作品.主演はアル・パチーノ,ロビン・ウィリアムズ,ヒラリー・スワンク,モーラ・ティアニー.原題は”不眠症”の意味.アラスカの白夜の下,爪を切られ,髪を洗われた女性の全裸死体が発見される.ロス市警の敏腕刑事パチーノが現地警察に協力して事件の犯人を追い詰める.ところがどっこい逆に追い込まれる.さて,ロビン・ウィリアムズが不適切な配役.複線を張りすぎてストーリーが広がらない.ヒラリー・スワンクやモーラ・ティアニーの独特な魅力を生かしたクリストファー・ノーランの手腕は買うが,なぜロビンを起用したのかが不可解.だってロビンは巧すぎるので,観客の方が犯人像を絞り込めずにアタフタしているうちに話が進んでしまう.いっそ,もっと単純な役者に単純な殺人犯を演じて貰った方がアル・パチーノ扮する刑事のストーリーに集中できたと思う.
「アザーズ」(2001米・英・スペイン "The Others"):「オープン・ユア・アイズ」のアレハンドロ・アメナバール監督,主演はニコール・キッドマン.一言でも感想を述べるとネタバレになりそうで怖い.ジャンルとしてはホラーでしょうか.先の読めない非常に面白い作品です.「シックス・センス」...う”.
「旅情」(1955英 "Summertime"):キャサリーン・ヘップバーン追悼特集で放映されたもの.アメリカの地方都市で秘書をしている38歳の女性ジェインが念願のヨーロッパ旅行でヴェニスにやって来る.一人旅は気軽に見えて実は心さびしい.あまり具体的に寂しさを饒舌には語らないところが大人の映画.魅力的な男性レナートと小さな恋の花が芽生えるものの,このままレナートと別れられなくなることを恐れて急遽,帰国を決意する.発車する列車をレナートが追いかけるシーンは非常に有名.「幸せはパリで」や「第二章」のように万難を排して恋愛を成就しようとしない上品さは美しいというよりも,正直なところ,もどかしい.
「愛と青春の旅立ち」(1982米 "An Officer and a Gentleman"):リチャード・ギア,デブラ・ウィンガー,ルイス・ゴセットJr.共演の青春映画.有名な主題歌とラストシーン.まぁ悪く言えば海軍の勧誘映画だけれども,「トップガン」のように戦闘シーンがある訳ではないので,ぎりぎりセーフ.この映画の影の主役と言われたルイス・ゴセットJr.は「アイアン・イーグル」で退役空軍大佐役を演じて,私の中で少し株を下げる.
「ルームメイト」(1992米 "Single White Female"):原題はルームメイトの募集広告,”白人の未婚の女性”.浮気をした恋人を振ったばかりブリジット・フォンダがルームメイトを募集して応募してきたジェニファー・フェイソン・リー(「初体験リッジモンド・ハイ」)と同居を始めることから始まるサスペンス.とてもオリジナリティのあるストーリーです.
「小さな泥棒」(1988仏 "La Petite Voleuse"):シャルロット・ゲンズブール主演.はっきり最初に断っておきますが”小さな泥棒”なんて可愛らしい題名に騙されてはいけません.主役のジャニーヌは常習的な盗癖をもつ精神的に不安定で未成熟な16歳の少女.生い立ちの不幸は気の毒ですが,素行の悪さは社会体制への反発でも青春の蹉跌でも何でもなく,単なる無軌道な暴走としか思えませんので感情移入は困難です.半開きの口と細い手足に薄幸そうな色気を漂わせていますので,そういう魅力に弱いヒトにはお勧めですが,切ない絶望感(渇望)の痛々しさは「雨のニューオーリンズ」(1966,ロバート・レッドフォード,ナタリー・ウッド)や「欲望という名の電車」(1951,ヴィヴィアン・リー)より性質(たち)が悪い.
「グッドナイト・ムーン」(1998米 "Stepmom"):エド・ハリスと前妻スーザン・サランドンの間には女の子と男の子の二人の子供がいる.ファッション・フォトグラファーのジュリア・ロバーツはエド・ハリスと付き合い始めて同居するが,彼の子供たちやサランドンと良い関係を築けず悩む.2大怪獣,いや2大女優の豪華共演が効果的な良い作品でしょう.展開が好転するきっかけになる(ネタバレ)は,ちょっとズルいかな.監督はクリス・コロンバス.
「レインメーカー」(1997米 "The Rainmaker"):ジョン・グリシャムの「原告側弁護人」の映画化.製作総指揮・監督・脚本をフランシス・フォード・コッポラがやるのだから外れのはずはない.主演は同年の「グッド・ウィル・ハンティング」でブレイクしたマット・デイモン,「ロミオ&ジュリエット」(1996)で可憐なジュリエットを好演したクレア・ディンズ.その脇をダニー・デビート,ロイ・シャイダー,ダニー・グローバー,ミッキー・ローク(!)が手堅く固めた法廷,というか訴訟ドラマ.ストーリーもキャラクタも見事.「エリン・ブロコビッチ」とは一味違うし「ザ・ファーム/法律事務所」とも一味違う.
「サイバーネット」(1995米 "Hackers"):日本劇場未公開作品,勿体無い! "最近読んだのは..."で「インターネットはからっぽの洞窟」の感想で紹介した作品.文句ナシに面白いから,本当に損しないですよ.
「小さな目撃者」(1999米・蘭 "Do Not Disturb"):ウィリアム・ハート主演.仕事の都合でアムステルダムにやってきたウォルター夫妻と娘のメリッサ(フランチェスカ・ブラウン).ホテルで殺人事件を目撃してしまったメリッサは初めて来た町で殺人犯に追いまわされる.まぁ大した話ではないのですが,メリッサは耳は聞こえるが声を出すことができないという設定.邦題はイマイチだが内容も(私にとっては)イマイチだったので,”子役好き”の映画ファンを狙ったという意味ではあざとい戦略.”小さな目撃者”と聞いて連想したのが「刑事ジョン・ブック」だったので,もっとハードな映画を期待してしまった.
「ジョーズ」(1975米 "Jaws"):もう説明することもない名作.スピルバーグ監督作品,ロイ・シャイダー,リチャード・ドレイファス,ロバート・ショウ出演,ジョン・ウィリアムズ音楽.別にこの映画のせいじゃないと思うのですが,私は海が嫌いです.
「レジェンド/光と闇の伝説」(1985英 "Legend"):あ,これ,英国作品だったのですね.リドリー・スコット監督のありきたりなファンタジー映画.ピチピチに若いトム・クルーズと,”あの”「ロッキー・ホラー・ショー」のティム・カリーが見所.
「うる星やつら2/ビューティフル・ドリーマー」(1984日):「攻殻機動隊/ゴースト・イン・ザ・シェル」で国際的にも高い評価を得た押井 守監督の出世作.TVシリーズの演出で高橋留美子の原作から離れた独自の文化を築き上げて期待されながらも,映画化第1作はファンから思いっきり叩かれた.思い切って趣味に走って好評を得た不動の名作.のはずだったのですが,いまから観ると「いやぁ,こっ恥ずかしいですなぁ」.当時は斬新だったのですが,なんとなく若気の至りみたいな作品に感じられるから時代の流れは残酷です.押井監督作品は期待を裏切られ,未熟さを直視させられるところに魅力を感じるのかも知れない.「赤い眼鏡」も今から見ると思いっきり恥ずかしいだろう.なぜならば続編の「ケルベロス」はキラリと光るものはあったがそれ以上にガックリとした.「アヴァロン」は言うに及ばず,だ.

(2003年7月)
「第二章」(1979米 "Chapter Two"):
ニール・サイモンの自伝的戯曲の映画化らしい.そのせいか,いつものウィットに富んだポップなコメディ色は薄い.妻と死別した(売れない)作家のジョージ(ジェームズ・カーン)が妻を忘れる感傷旅行から余計にやつれて戻ってくる.心配した弟が新しい恋人を次から次へと紹介するものの,全てタイプじゃない.そんな時にちょっとした手違いで電話を掛けた相手,女優の卵のジェニー(マーシャ・メイソン)に好意をもつ.やがて結婚する二人だが新婚旅行先でジョージは死別した妻のことを思い出してしまい(って,亡き妻と行った新婚旅行先に行くからいけないんだって),ジェニーに冷たく当たる.当然,最後はハッピーエンドなんだけれども,うーん,サイモン,しっかりしろ.
「魔女の宅急便」(1989日):もう随分と昔の作品になってしまいました.高専卒業して大学に編入した年.年末に帰省して久しぶりに再会した高専の友人,I君,N君,S君と一緒に男4人で「おいおい」とか言いながら観にいきました.この作品を観ると今は亡きS君を思い出します.
「レモ/第一の挑戦」(1985米 "Remo Williams: The Adventure Begins..."):有名な俳優は出ていないが監督は007シリーズやA・クリスティのミステリを多く映画化したガイ・ハミルトンなので力量は十分.アクション小説「ザ・デストロイヤー」シリーズの登場人物をベースに新たなストーリーで映画化された作品.東洋武術の達人・韓国人のチュンの元で超法規組織のエージェントとして特訓を重ねるレモ・ウィリアムズに初任務が下る.かなりバカバカしい小ネタに溢れている.「で,いつになったら第2の挑戦が映画になるんだ」というのが自称ファンたちの合言葉.
「月の輝く夜に」(1987米 "Moonstruck"):moonstruckはlunaticと同じく”気が狂った”を意味する形容詞.ロレッタ(シェール)は37歳,未亡人.恋人のジョニーからプロポーズされ,それを受ける.ところが何故か結婚式に出てくれと伝えに行ったジョニーの弟ロニー(ニコラス・ケイジ)と恋に落ちる.個性的な女優シェールのアカデミー賞受賞作品.シェールの情熱な女っぷりも,(ちょっと知的なところもある,一見,粗暴な)パン職人のイタリア人を演じるニコラス・ケイジの存在感あってのもの.でも,いいんすかね,兄貴の立場は?
「マチルダ」(1996米 "Matilda"):ロアルド・ダールの童話「マチルダはちいさな大天才」をダニー・デビートが監督・出演.悪徳セールスマンの父とビンゴ中毒の母,イジワルな兄.マチルダは優れた知能と不思議な能力を持つのに家族の中では黒い羊状態.誰も彼女のことを理解してくれないし,気にも留めていないし,愛してもくれない(家族からすれば娘は変人で何を考えているのか理解不能).やっと小学校に通うことができて安心したのも束の間,そこは恐ろしい女校長が暴力で支配する独裁社会.そんな辛い生活も,彼女を理解して愛してくれる美人で優しいハニー先生との出会いで変わる.絵本の映画化,しかも原作がロアルド・ダールだけあって,かなりブラックなユーモアに溢れた展開でビビるが,そこはダニー・デビートがうまくまとめ上げていて無理が無い.「アニー」は生理的に受け付けなくても「ロッタちゃん」はOKというヒトに向いています.
「ファザーズ・デイ」(1997米 "Fathers' Day"):Father'sではなくてFathers'です.アイバン・ライトマン監督作品とくれば,単なるコメディじゃないと言いたい所だが...元恋人のナスターシャ・キンスキーから”あなたの息子が行方不明なの,探して”と頼まれたビリー・クリスタルとロビン・ウィリアムズの珍道中.ええと,細部を覚えていないぞ.
「Laundry」(2002日):噂の窪塚洋介が如何ほどの役者かという興味が先行して観て見ました.見事です.日本映画の垢抜けないポイントを全て踏襲しています.その最たるものは内藤剛志扮するサリーという名の親父で,これは後ほど(=上のほう),で述べる予定の「Go」のバイクオヤジと同じ程度に邦画をダメにするキャラクタ設定.確かに「おお,クレイジー!」という人物が出てくるとストーリーが(一見)面白くなり,むちゃくちゃな行動を取るほど(一見)意外で痛快そうに見えるのだが,描きこみが浅薄な場合は一気に白けるのがコメディセンスの妙,そして落とし穴.ドドメ色の暗い展開はラストシーンの幸せの黄色いハンカチ・モドキのシーンで浄化されるほど甘いものではない.小雪さん,年下好みでキャラクタ固定?
「ラブアンドロイド・チェリー」(1987米 "Cherry 2000"):判断ミスが2つ続くダメージがデカイ.映画冒頭,Cherry2000モデルの女性型アンドロイドが漏電で壊れる.壊れた過程は恥ずかしくてここには書けない.で,そのアイドロイドじゃないと”満足できない”主人公が代わりのボディーを探しにプロのガイド兼ボディーガードであるメラニー・グリフィスを雇って無法地帯へと出掛けて行く.近未来SFだ.メラニー・グリフィスだ.ローレンス・フィッシュバーンも出演しているらしい(が分からないぞ).同じ近未来SFでB級気分とお色気を味わいたいならば「タンクガール」(1995米)がお勧め.
「キングコブラ」(1999米 "King Cobra"):人生時々,判断ミスをすることがあるのです.「ベスト・キッド」シリーズのパット・モリタ出演に騙されて見てみたら,円谷プロもガックリと肩を落とすような特撮の巨大ヘビパニック映画.巨大と言っても全長100mある訳ではありません.ともかくオープニングの派手な前フリは複線として何の意味も無いなど,プロットもメチャクチャ.唯一の拾い物はオカマ役で出演していたエリック・エストラーダ(「白バイ野郎 ジョン&パンチ」,わっかるかな?).
「キスへのプレリュード」(1992米 "Prelude of a Kiss"):原作のある作品らしいですね.メグ・ライアンとアレック・ボールドウィンの結婚式の最中,通りかかった老人にキスをしたメグ・ライアンと老人は魂が(体がというべきか)入れ替わってしまう.ちょっと切ないコメディになる予定だったのかも知れないが,妙齢の女性が自分の体を老人に自由勝手にされた上に,自分は死期の近い老人の体に押し込められてしまうという二重の苦しみを味わう.「あ,入れ替わってしまった!」と自己申告することもなくボールドウィンと新婚旅行に行ってしまう老人を私だったら絶対に許さないだろうが,メグ・ライアンは許す.変だ.
「恋は嵐のように」(1999米 "Forces of Nature"):明日,結婚式を控えたベン・アフレックが飛行機のトラブルで足止めを食らい,ひょんなことからサンドラ・ブロックと一緒に陸路で急ぐことになる.奔放なブロックに振り回されるアフレックという状況は予想通り.そしてアフレックは結婚に二の足を踏む.ところで緊迫状態で恋心が芽生えてもそれは必ず醒めるのは「スピード2」で語られる通り.最後は元の鞘に戻る.ここで注目は”元の鞘”であるモーラ・ティアニー.TVドラマ「ER」シリーズでアビー・ロックハート役を演じている女優です.正直言いますと美人タイプでもセクシータイプでもありません.でも注目です.「インソムニア」,「パーフェクト・カップル」にも出演しています.
「ヤング・アインシュタイン」(1988豪 "Young Einstein):製作・監督・脚本・主演を一人でこなすヤッホー・シリアス.いわゆる”おバカ映画”にジャンル分けされますが,悪趣味なドタバタお色気コメディとは全く別物の才気溢れる上質のアップビートなコメディ.鬼才ヤッホー・シリアスがその後,どのような作品を発表したのかは定かではありませんが,この映画では輝きまくっています.タスマニアの僻地に住む青年アインシュタインはビールに泡を立てる研究の過程で「E=mc^2」の公式を発見,これをオーストラリアで特許出願するために都会へと旅立つ.かなり昔(多分,日本で公開された当時だと思う),紹介記事を読んでからズーッと観る機会を探していて,やっと巡り合うことが出来ました.期待にそぐわない傑作でした.
「トワイライト」(1998米 "Twilight"):ポール・ニューマン扮する老探偵は元映画スターのジャック(ジーン・ハックマン)&キャサリン(スーザン・サランドン)夫妻の邸宅に同居している.そしてトラブルに巻き込まれる.ジーン・ハックマンは別として,年をとってもナイスガイなニューマンと,年をとっても(失礼!)妖艶なサランドンがこの映画の柱でしょう.
「幸せはパリで」(1969米 "The April Fools"):
証券マンのハワード(ジャック・レモン)はワンマン社長から昇進を告げられる.一見,幸福そうに見えるハワードだが妻や息子には無視され,満たされない生活を送っている.そんな折に社長宅のパーティーで美しいフランス女性カトリーヌ(カトリーヌ・ドヌーブ)に「ちょっと一杯どお?」と声を掛けたところ快諾を得られて有頂天に.しかしクールに女性をエスコートするつもりがうまくいかない.偶然出会った奇妙な夫婦の奇妙な豪邸に招待された二人は充実した一晩を過ごす.ところでカトリーヌ,実は鬼社長の夫人であったりするのだが,身勝手な夫に愛想を尽かして離婚を決意.フランスへ戻ることをハワードに告げる.ハワードは会社を辞め,妻と別れ,カトリーヌと共にフランスへ向かう決意を固め,友人の弁護士シュレーダーに妻との離婚を依頼する.まぁそこからは押し留める者,後押しする者,さまざま入り乱れる中をハワードはカトリーヌの待つ空港へ必死に向かう.フランス行きの飛行機の出発時刻は刻々と迫る.さて,このバツイチ・カップルがフランスで幸せに過ごせるのかとか,そういうムズカシイことはバート・バカラックの音楽に暖かく包まれて誰も気にしないで済むことでしょう.米国男性のフランス女性への憧れとセコセコと働く生活から脱出したいという二つの欲望を上品に満たしてくれます.監督は「暴力脱獄」のスチュアート・ローゼンバーグ.'72年の「ゲッタウェイ」(サム・ペキンパー監督)で強盗犯のスティーブ・マックイーンとアリ・マックグローが無事にアメリカから脱出してメキシコに逃げ切ったラストシーンは当時のモラルから考えると非常識であったと言われるが,この映画,特に問題なかったのでしょうか.まぁ,人を殺した訳ではありませんけれども,離婚問題に神経質なセクトの反発が予想されますね.
「ウォーターボーイズ」(2001日) :適当に予想通りで適当に予想外.

(2003年6月)
「ベイビー・トーキング」(1998米 "Baby Geniuss") :ジョン・トラボルタ主演でブルース・ウィリスが赤ん坊の声で...それは「ベイビー・トーク」(1989).こちらは単なるパクリとしか思えないヒドい邦題を付けられてしまったが,キャサリーン・ターナー,クリストファー・ロイド主演.「アリーmyラブ」にも出演しているピーター・マクニコルも出演しているのが特筆すべき点.まぁ,ストーリーは単なるドタバタなのですが,大女優キャサリン・ターナーが悪役を演じている姿は「101」のグレン・クローズを彷彿とさせる...紙おむつのCMにこの映画のパロディがありましたね.赤ん坊が輪になってペチャクチャと大人のように喋るCMです.赤ん坊版「ベイブ」と言われる所以です.いやしかし,繰り返すようだが邦題が悪趣味だ.「ブラトーン」のつもりで「ランボー」をビデオ屋で借りてしまったN君でなくても,これは間違えるでしょう.
「マローン 黒い標的」(1987米 "Malone") :バート・レイノルズ主演.ついでにいえばシンシア・ギブ共演.バートがシェーンで,シンシアが「しぇ〜ん,かんばぁーく」の少年.土地の買収を目論む地元の悪者と元CIA工作員のバートが,ひょんな偶然から対決する.シンシア・ギブがなんとなくカワイイ.
「真夜中のサバナ」(1997米 "Midnight in The Garden of Good and Evil") :NYの記者ジョン・キューザックがジョージア州サバナの町の大富豪(成金)ケヴィン・スペイシーのクリスマス・パーティーを取材にやって来る.全米ベストセラーの原作をクリント・イーストウッドが監督に専念して映画化した.チンピラなジュード・ロウはともかくとして,怪しい魅力をプンプンと振り撒く”ザ・レディ・シャブリ”は一見の価値ありと断言できる.うーむ,あらゆる意味で凄いぞ,ピーターさんもビックリだな.ええと,誰が主役だったかね.
「雨に唄えば」(1952米 "Singing in The Rain") :ジーン・ケリーとドナルド・オコナー,そしてデビー・レイノルズ.ジーン・ケリーとデビー・レイノルズの恋愛とハリウッドがサイレントからトーキーに変わる時代背景をミュージカルで描いた名作.民放の吹き替えだったのでシーンのブツ切りで残念でしたが,この時代のスターは一味も二味も技の切れが違いますね.音楽も「おや,どこかで聴いたな」という曲が多く,名作といわれるだけのことはあります.ストーリーは,まぁ,二の次です.
「おかしな二人」(1968米 "The Odd Couple") :カップルと言っても恋人じゃないです.ツレ,みたいなものですね.ジャック・レモンとウォルター・マッソーがコンビを組み,ニール・サイモンの戯曲を見事に映画化.このコンビ,その後でもいくつか共演していますが,間違いなく代表作でしょう.最高です.「ラブリー・オールドメン」(1993)は観たのですが,
「おかしな二人2」(1997米)もこの二人のコンビですが,まだ観ていません.機会があったら観てみたいですね.2001年6月,ジャック・レモンは死去,その1年前にはウォルター・マッソーも死去.ちなみにジャック・レモンはコメディのイメージが強いですが,シリアスな作品も得意,大好きな俳優の一人でした.
「ロビン・フッド」(1991米 "Robin Hood: Prince of Thieves") :ThievesはThief(泥棒)の複数形.Robberは暴力を伴う強盗なので,それに比べるとコッソリと盗む泥棒の意味.コソ泥の王子というところでしょうか? ケビン・コスナー主演ですが,「いい映画を観させてもらったよ」と感じることが非常に少ない.「ウォーターワールド」もガッカリした.まだ「ポストマン」を観ていないが,評判通りならば観ない方が良いですかね.クリスチャン・スレーターは彼らしい役を頑張っている.メアリー・エリザベス・マストラントニオも同様.ちなみにモーガン・フリーマンも頑張っている.なのに損した気分がするのはストーリーの幼稚さと主人公の底の浅さ故だろうか? 映画のラストで,かつてロビン・フッド(のその後=老人ロビン)役を「ロビンとマリアン」(1976英)で演じたショーン・コネリーが帰還した王の役で出ますが,後の祭りです.
「ゼイリブ」(1988米 "They Live") :カルトの王様ジョン・カーペンターの伝説的B級作品.相変わらず音楽も担当し,ずんでけずんでけ,言わせます.主演はプロレスラーのロディ・パイパー.”うちゅうじんが見えるサングラス”が世界を変えます.ストーリー展開と無関係とも思える,しつこいまでの殴り合いが語り草.あさりよしとお作「宇宙家族カールビンソン」でもこのシーンは取り上げらています.外れの映画ばかり続いた時には是非どうぞ.
「ランダム・ハーツ」(1999米 "Random Hearts") :シドニー・ポラック監督とハリソン・フォードが「サブリナ」に続いて手を組んだ話題作だったらしい.「イングリッシュ・ペイシェント」で知的な美しさを発揮したクリスティン・スコット・トーマスが共演.それぞれお互いの妻と夫が不倫中のアヴァンチュールで飛行機事故死.全てを明らかにしようとするハリソンに無理やり付き合わされるクリスティンが腹立たしいことに恋に落ちる昼メロ.なんだかなぁ〜.
「虚栄のかがり火」(1990米 "The Bonfire of The Vanities") :監督ブライアン・デ・パルマ全開!と言いたい所だが,デ・パルマらしさは全く無い.トム・ハンクス,ブルース・ウィリス,モーガン・フリーマン,メラニー・グリフィスとスター共演だけに,観ていてそれなりに楽しめるが,監督だけは不発.
「燃えよドラゴン」(1973米 "The Dragon") :言うまでも無くブルース・リーの映画.理屈は不要,「考えるな,感じろ」です.
「最高のルームメイト」(1994米 "ROOM MATES") :特筆すべきは(あの刑事コロンボで有名な)ピーター・フォークの見事な老人の演技でしょう.この所,目にする機会の非常に多いジュリアン・ムーアも魅力的でした.
「ジャッカルの日」(1973英・仏 "The Day of The Jackal") :フレデリック・フォーサイス原作の映画化.ドゴール大統領暗殺を請け負った暗殺者ジャッカルと,捜査の全権を任されたルベル警視の息詰まる攻防.何が一番素晴らしいかと言えば,間違いなくそれはタイトル.内容jも面白いですよ.ちょっとプロの仕事にしてはお粗末だなと思うところも多々ありますが.殺された偽造書類屋は発見されたのだろうか?
「マトリックス」(1999米 "Matrix") :特に説明は不要ですね.
「君に逢いたくて」(1995米 "Heavy") :リヴ・タイラー主演.何がヘビーかと言えば主役の無口なヴィクターを演じるジェリー・ウィンタースの体重が,まずヘビー.ヴィクターが働く母のレストラン(といっても酔っ払い相手に見えるのだが)の雰囲気もヘビー.1名しか居ない古株ウェイトレスや客との間の空気もヘビー.そんな所に大学中退でドロップアウトしてきた魅力的なリヴ・タイラーが働き始めて,これまたヘビー.密かに恋心を寄せているのに,実は恋人がいて,ああ,ヘビー.そんな時に母が亡くなったけれども誰にも言い出せなくて,こりゃまたヘビー.うーむ,と唸らせるサンダンス映画祭・監督賞と審査員大賞ダブル受賞に,より一層,サンダンスで大受けする作品に対する偏見が強まる.さすがはインディーズの祭典.
「初体験リッジモント・ハイ」(1982米 "Fast Time at Ridgemont High") :原作・脚本は「シングルス」のキャメロン・クロウ.(バカバカしいほど若々しい)ショーン・ペン,ジェニファー・ジェイソン・リー,フィービー・ケイツ(「グレムリン」),ジャッジ・ラインホルト(「ビバリーヒルズ・コップ」の二人組の刑事の若い方).結構豪華キャストです.「アメリカン・グラフィティ」(1973)と同列に扱われるけれども,ちょっといかしていない70年代と,ちょっといき過ぎてダサダサな80年代の違いは強烈です.教育的指導の立場から詳細を語ることができません.
「サムシング・ワイルド」(1996米 "Something Wild") :平凡な男ジェフ・ダニエルズが,日頃の行いと男運の悪い女メラニー・グリフィスに振り回されて,(いわゆる一つの)悪者レイ・リオッタ(こんな役ばっかり)と対決する羽目に陥る.みんな,もっと清く正しく生きようよ.
「冷たい月を抱く女」(1993米 "Malice") :ニコール・キッドマン,アレック・ボールドウィン,ビル・プルマン.前者2名は悪役だ.以上.
「ビッグ・ビジネス」(1988米 "Big Business") :ベッド・ミドラー主演.監督は「殺したい女」(1996)でも監督を務めたジム・エイブラハムズ(「殺したい女」はジム+ザッカー兄弟の3人で監督).エイブラハム監督は「フライング・ハイ」から「トップ・シークレット」,さらに「ホット・ショット」と”下らないパロディコメディ”の大家.本作ではベッド・ミドラーとリリー・トムリンがそれぞれ一人二役.ところが生まれた病院で入れ違ったため,それぞれ大富豪の姉妹,貧乏人の姉妹として生き別れてしまう.それが偶然バッタリと出会って...という仕組み.アイディアは面白い.

(2003年5月)
「暴力脱獄」(1969米 "Cool Hand Luke") :ポール・ニューマンが懲りずに懲りずに懲りずに脱獄.ジョージ・ケネディも犯罪者役が板についている.で,なんだ?と言われても返答に窮する.
「シティ・ヒート」(1984米 "City Heat") :バート・レイノルズ,クリント・イーストウッド主演にアイリーン・キャラ共演.TV放映の解説でも言われていましたが「イーストウッド,共演者を食います」.はい,バート,見事に食われてダサダサでした.
「スパイ・ハード」(1996米 "Spy Hard") :「Mr.マグー」で気を良くして望んだレスリー・ニールセン主演のパロディ映画.ストーリーは...おおい,全く覚えていないよ.ともかくガッカリした印象だけ残っている.
「野獣教師」(1996米 "The Substitute") :元傭兵のトム・ベレンジャーが暴力が支配する公立高校の教師をしている恋人の仇(足の骨を折られたのであって殺されたわけではない)をとるために代用教員として”潜り込む”.「処刑教室」というよりはバイオレンス金八という感じだけれども,何人か死亡します.まぁ,なんですねぇ,ガッコウの先生も大変だねぇ(他人事のような顔).
「Mr.マグー」(1997米 "Mr.Magoo") :’60年代のTVシリーズを「裸の銃を持つ男」のレスリー・ニールセン主演でリメーク.あまりの目の悪さにトラブルを起こす(しかし基本的に本人は無傷なのがミソ)大富豪Mr.マグーのドタバタコメディ.基本に忠実で,下らなさ過ぎないバランスが良かったのか,ドタバタギャグを苦手とする妻からもOKが出ました.視覚障害者の方にとっては差別的かとも思われますが,サザエさんが財布を忘れて買い物に行くのが愉快なのとと同じ程度に受け流して頂ければ幸いです.
「マイケル・コリンズ」(1996米 "Michael Collins") :ニール・ジョーダン監督が「クライング・ゲーム」に続いて監督した史実に基づくアイルランド紛争物.主演のリーアム・ニーソンは重要だと思うが,共演のジュリア・ロバーツは実力を発揮する場面が無くて,まったく生かしきれていない.「オーシャンズ12」でも同じことを感じた.
「プロポーズ」(1999米 "The Bachelor") :まったく期待していなかった.クリス・オドネルは魅力的じゃない田舎者だし.「ブルース・ブラザース」(1980米)のパトカー並に大量の花嫁が街を埋め尽くすシーンは撮影ご苦労様でした.私の妻の指摘によれば,バスター・キートンの作品に極めて似た作品があったと言うので調べてみたところ,「セブンチャンス」(1925米,主演監督バスター・キートン.ジーン・アーサーも出ていますねぇ)のリメークであることが判明.

「Mバタフライ」(1993米 "M. Butterfly") :デビッド・クローネンバーグ監督作品.オープニング映像が勘違いした東洋趣味でクラクラしたが,クローネンバーグ監督に敬意を払って許します.ジェレミー・アイアンズが(女装ミエミエの)ジョン・ローン(:スパイ)と恋に落ち,国家機密をバラして最終的には投獄される.驚くべきことに事実に基づいているらしい.「い,いったいどうしてきづかないの?」と不思議なのだが,そこは東洋の神秘らしい.文化大革命は残酷だ.
「シングルズ」(1992米 "Singles") :”シアトル”と言えばこの作品と「めぐり逢えたら」(1993)と言われるらしい.マット・ディロンとブリジット・フォンダが注目だが,キラ・セジウィックが一応,主役.監督はキャメロン・クロウ.

「魔界転生」(1981日) :2003年にリメークされたもののケチョンケチョンにけなされている.オリジナルは深作監督作品(追悼特集でTV放送).原作は山田風太郎.沢田研二主演,千葉真一と真田広之共演.なぜか沢田研二と真田広之のキスシーンが話題になっていた記憶が残っている.
「スミス夫妻」(1940米 "Mr. and Mrs.Smith") :ヒッチコック監督作品としては珍しいコメディ映画.あまり記憶に残っていない.
「恋するための3つのルール」(1999米 "Mickey Blue Eyes") :ヒュー・グラント,ジーン・トリプルホーン主演.トリプルホーンの父役にジェームズ・カーン.ヒュー・グラントにはこの手の軽めのラブコメが適役(誉めている).

(2003年4月)
「我が家の楽園」(1938米 "You Can't Take It with You") :巨匠フランク・キャプラ監督のコメディ.ジーン・アーサー,ライオネル・バリモアと言われても今ひとつピンと来ないかも知れないが,若き日のジェームズ・スチュワートが出ているのが魅力.バリモア一家は俳優一家の家系で,ライオネルの
妹エセル・バリモアも女優,弟のジョン・バリモアも俳優.そして孫娘は「ET]の子役で脚光を浴び,その後,人生山あり谷ありを経て再び銀幕に戻って,いまや迫力の大スターとなったドリュー・バリモア.ドリューの父も母も,母方の一族も俳優らしい.まぁ前置きは横に置いて.エキセントリックな集団生活を送る一家の家が税金の滞納で取り上げられる大騒動と,孫娘のアリスと大富豪の御曹司(J・スチュワート)の結婚話の大騒動のダブルパンチ.
「上海バンスキング」(1984日) :松坂慶子主演.風間杜夫,平田 満で監督が深作欣二とくれば,「蒲田行進曲」(1982).さらに 宇崎竜堂と志穂美悦子.風間杜夫が相変わらずロクデナシ役で松坂慶子が苦労するのだが,時代が悪い.戦争の渦に巻き込まれて誰も幸せになれないのだから,「蒲田行進曲」よ再び!と期待していた方々(私も含めて)はガッカリ.
「スタートレック」(1979米 "StarTrek The Motion Picture")  :まぁ,あのスタートレックです.BSで映画1作目から6作目まで通しで放送されたので録画しました.1作目は....あまりにスローな展開に思いっきりグーグーと寝てしまいました.ファンにとっては「あのスタートレックが映画のスクリーンに!」,それだけで愛されたのでしょう.
「マーサ・ミーツ・ボーイズ」(1998米 "Martha Meet Frank Daniel & Laurence") :「メメント」には敵いませんが,なかなか複雑に凝った作りのプロットです.全くタイプの異なる三人の男友達と一人のアメリカ人女性のすれ違いコメディ.いつバレるのかドキドキするって類のコメディです.男3人,役者の顔はそれぞれ濃い.
「オープン・ユア・アイズ」(1997仏・スペイン "Abre Los Ojos") :これをトム・クルーズが「バニラ・スカイ」としてリメークした訳ですね.主演はペネローペ・クルスで,「バニラ・スカイ」にも出演(ただし役柄は変わります:訂正(2003/8/18) 役柄は同じです
).しかしカメラワークにしろ小道具にしろ,全て「バニラ・スカイ」は本作と全く同じ.まるでトム・クルーズがペネローペ・クルスと共演したかったからリメークした,としか思えない.「バニラ・スカイ」は観なくても良いですよ,「オープン・ユア・アイズ」を観れば.
「おかしなおかしなおかしな世界」(1963米 "It's A Mad Mad Mad World") :超大作コメディとして有名な作品.遥か昔に土曜日の午後のTV東京系映画枠で観たような記憶が残っているが,それくらいのドタバタ.現在の標準から言えば大して笑えないコメディ.ですが,”この手のジャンルの映画ってさ”として盛り上がるときには外せない作品だとは思います.
「紅の豚」(1992日) :ソニー(株)の入社試験を受けた後に都内の映画館で観ましたねぇ.その後,寝台夜行列車で福岡まで戻りました.車内で一緒になった元自衛官の語るワイルドな昔話と共に良い思い出です.
「ホスピタル」(1971米 "The Hospital") :ジョージ・C・スコット主演,アーサー・ヒラー監督の病院内殺人事件.ERを見習ってまじめに働いてください.
「ブルジョワジーの密かな愉しみ」(1972仏)
 :ルイス・ブニュエル監督72歳の作品らしいです.主題:「いつになったら食事にありつけるんだ?」.

(2003年3月)
「ミスター・アーサー」(1981米 "Auther")
 :ダドリー・ムーアの作品を一つは観てみたいと思っていました.なぜかちょくちょくと名前は出てくるのに一作も観たことが無かった.背が低くて色男でもないのにモテる男のイメージになっている.ライザ・ミネリとの共演なので,お得かと思ったのだが,単なる金持ち男のわがまま放題をコミカルに描いただけというのが最後に残った印象.
「リトル・ロマンス」(1979米 "A Little Romance") :ローレンス・オリビエも出ているが,主役は(少女の)ダイアン・レイン.これを観てダイアン・レインにコロっと落ちたヒトビトが多いらしい.ヴェネチアの「ため息橋」の下で日が暮れる瞬間にキスをすると幸せになれる,確かそんな作り話を信じて若い恋人同士が駆け落ち(?)するという黄金パターンを作った作品.「小さな恋のメロディー」('71英)のパクリだという人もいますが...私にとってダイアン・レインは「ストリート・オブ・ファイヤー」('84米)でギンギンに歌って踊っていたイメージなので,全くの別人です.
「麗しのサブリナ」(1954米 "Sabrina") :オードリー・ヘップバーン,ハンフリー・ボガート,ウィリアム・ホールデン主演,なんて贅沢な.監督もビリー・ワイルダー.これで面白くないはずが無い.ビリー・ワイルダーにしては能天気すぎるくらいに軽い作品.10代に観たときは,なんでボガート扮するい年寄りにヘップバーンが惹かれるのか理解不能だったのを覚えています.いまでは何故,ホールデンにトキメクのかが分からない.'95にハリソン・フォード主演でリメイク(「サブリナ」)されましたが,これは観ていません.
「ブレイド2」(2002米) :ウェズリー・スナイプス主演「ブレイド」の続編.某ホッカイロのCM,「おじさんは,こう見えてもCGなんだよ」を思い出す.マンガや日本アニメが描いていたド派手なアクションシーンを実写(+CG)で撮影することができるんですねぇ.ストーリーはともかく映像はお見事.ただ,単調なので途中から飽きてしまうかも知れません.
「新・動く標的」(1975米) :ロス・マクドナルド原作のハード・ボイルドミステリー.主演はポール・ニューマン.第1作「動く標的」("MOVING TARGET")は観損ねました.見所は1970年代のアメリカの風景と1970年代のメラニー・グリフィス(笑).16歳くらいの役なのに,なんとも不思議なお色気オーラを発散している(同種の存在としてはレベッカ・デモーネイが挙げられる).もちろん,ポール・ニューマンは小娘の色気程度ではビクともしない.なぜならば70年代のハードボイルドだから.
「デッドゾーン」(1983米) :スティーブン・キング原作の同名モダンホラーをカナダ映画界の鬼才デビッド・クローネンバーグが極めて忠実に映画化した作品.主演はクリストファー・ウォーケン.脇の役者も堅実でうまい.(未来の)大統領役としてマーチン・シーンが主演しているのが面白い.現在NHKで放送中のTVドラマ「ザ・ホワイトハウス」でも米国大統領役を演じている(笑).何度も繰り返し観たこの作品が公開されたから20年も経過しているということがショック.的を得たオープニングの映像も,暗くて陰気な音楽も「ああ,クローネンバーグさまっ」,私を惹きつけた.同じく83年に公開された「ビデオドローム」(ジェームズ・ウッズ主演)はイマイチだったが,81年公開の「スキャナーズ」もカルト的人気を博した.個人的にもクローネンバーグと言えば「スキャナーズ」と「デッドゾーン」と断言する.「ザ・フライ」(「蝿男の恐怖」のリメーク)も良かったが,クローネンバーグらしさ=グロテスクしか表に出ていない.「クラッシュ」(ジェームズ・スペイダー,ホリー・ハンター,ロザンナ・アークェット)も力を出し切れていない感じがあった.キング作品の映画化という点でも,クローネンバーグらしさという点でもこの作品が個人的にはベストな一作.

(2003年2月)
 「ビバリーヒルズ高校白書」
 :TV放送分を「〜青春白書」含めて全て観終りました.なかばドーデモイイ感もありますが,なにはともあれハッピーエンド.ビバリーヒルズの最新ファッションってものが意外とダサいとか,おいおい下着みたいな格好で外歩くなよ!とか,色々と勉強になりました.ブランドン役のジェイソン・プリーストリーは「トゥーム・ストーン」(出ていたっけ?),ブレンダ役のシャナン・ドハーティーはTVドラマ「チャームド」(これは主役級),ディラン役のルーク・ペリーは「エイト・セカンズ」(観ていないけれどもジョン・G・アビルドセン監督作品,主役),主役(?)のドナ役トーリ・スペリングは「最終絶叫計画」(観ていないが端役),ばればれバレリー役のティファニー・アンバー・ティーセンは「フロム・ダスク・ティル・ドーン2」(1は観たが2は観ていない.端役),スティーブと結構,いいとこまで進んだカーリー役のヒラリー・スワンクは「ボーイズ・ドント・クライ」(主役),さすがに長いシリーズだけあって,有名になった人,もともと有名だった人,いろいろです.
 「もののけ姫」(1997日) :文句などありません.
 「トレーニング・デイ」(2001米) :悪徳警官デンゼル・ワシントンのチームに加わった青二才イーサン・ホーク.ベテラン&ルーキーのバディ物としては,クリント・イーストウッドとチャーリー・シーンの「ルーキー」(1990米,イーストウッド監督)やジェームズ・ウッズとマイケル・J・フォックスの「ハード・ウェイ」(1991米,おっとジョン・バダム監督)あたりの軽い映画(前者はベテランに振り回され,後者は素人に振り回される)をイメージしがち.いいのか,本当にアメリカの警察や治安はこうなのか?と,つい心配になってしまう乱雑さ.

(2003年1月)
「メビウス」(1998米)
 :予告編は非常に面白そうだったが,「ザ・セル」同様に,ポイントが絞りきれていないため消化不良の怖くないホラー映画.怪優クリストファー・ウォーケン健在(でも太った)が最大の収穫.
「ザ・セル」(2000米) :華麗でグロテスクな想像世界がウリだが,「レッド・ドラゴン」ばりの変質者,「ブレインストーミング」+「バーチャル・ウォーズ」風の仕掛け,ちょっと欲張りすぎて予算と時間が切れたのか,中途半端なストーリー.ジェニファー・ロペス主演.衣装は石岡瑛子.絵は綺麗なのだが,初期イメージを過保護に守り過ぎたためか細部のディテールに違和感が残る.
「ムッシュ・カステラの恋」(1999仏) :(既婚の)会社社長カステラ氏が英語の個人教師(女優兼業)にホレてジワジワと道を踏み外して...いや違うか.どうもプロットを書くと下世話な話になってしまうが良品です.
「ブラックホーク・ダウン」(2001米) :俳優が一体誰が誰だか良く分からないくらいに混乱している局地戦の恐怖と絶望を見事に描いている.善と悪で世界を2色に塗り分けようとしている9・11以降のアメリカ主導の世界情勢の中,この映画の意味は非常に重い.ハンス・ジマーは相変わらずズンズンドコドコと音楽を担当.監督のリドリー・スコットは「トップガン」のトニー・スコットと兄弟.多くの作品を兄弟で製作していたりするので,どっちの作品だか分からなくなったりする.
「千と千尋の神隠し」(2001日) :劇場でも観ました.いやはや本当に凄いヒトだ.語らせると長いぞ.
「アンティーク 西洋骨董洋菓子店」 :TVドラマとしては破格の出来.演出も構成も役者の演技も◎.マンガ原作の強みかも知れない.機会があったら読んでみよう.
「パニック・ルーム」(2002米) :ジョディ・フォスター走る,跳ぶ.作品中のセリフにも出てくるがサスペンス風「ホーム・アローン」.それほど悪人じゃない犯人役のフォレスト・ウィティカー,昨晩ちょっとだけ観た「グッドモーニング・ベトナム」にも出ていた.調べてみると他にも色々と出ている(意外な)有名俳優.
「イヴの総て」(1950米) :ベティ・デイビス主演.モンローもチョイ役で出ている.
「百万長者と結婚する方法」(1953米) :ローレン・バコール狙い.マリリン・モンローとベティ・グレイブルも出ている.
「ハリー・ポッターと賢者の石」(2001英米) :よろしいのではないでしょうか.ただ気になるのはホウキで飛ぶときの効果音がSFっぽい点くらいでしょうか.
「ソードフィッシュ」(2001米) :ジョン・トラボルタ主演.ハル・ベリーも必見.どんでん返しのストーリーも良い.でも何故か消化不良.
「ハイランダー」(1986米) :クイーンが音楽を担当しているとは知らなかった.懐かしのSF活劇.ショーン・コネリーが最高にイカしている.(当時)クリストファー・ランバートは私の中でヒーローになったのだが,それ以降,「これ」という作品が無いのは「ストリート・オブ・ファイヤー」のマイケル・パレと同じ.
「シッピング・ニュース」 :ケビン・スペイシー,ジュリアン・ムーア,ジュディ・デンチ,ケイト・ブランシェットに加えて(名前は覚えられないが顔は一発で覚えられる)ピート・ポスルスウェイト.暗い色調ながらハッピーエンドで,ああ良かった.
「エボリューション」 :”あぁ,アイバン・ライトマン”な作品.明白に下品で下らないネタ連発なのに,なぜかクール.
「メン・イン・ブラック2」 :面白いのだが...
「TRICK劇場版・観賞マニュアル」 :期待しましょう.
「ムーラン・ルージュ」 :文句なしに満足.ユアン・マクレガー,ニコール・キッドマン.
「バニラ・スカイ」 :うまい.うますぎてプロットが分かり難い.トム・クルーズ,ペネロペ・クルス,カート・ラッセル,キャメロン・ディアスと超豪華.
「スパイダーマン」 :評判は良かったし,観ていて楽しかったが,後に残るものがない.
「スターウォーズ エピソード2/クローンの攻撃」 :ジェダイの力って一体何だっけ? フォースの定義が曖昧で許される大らかさはアメコミ文化の限界か?

[2002年]

12/28 「風と共に去りぬ」 :何度観てもいい.これでヴィヴィアン・リーの声がもう少し魅力的だったら文句ないのだが...
12/14 「リング0」 :松嶋菜々子は酷かった(「リング」).
仲間由紀恵はOK.
12/ 7 「北北西に進路をとれ」 :あぁ,しまった.またストーリーを忘れてしまった.これで何度目だろう.タイトルが強烈過ぎるのかなぁ.

11/24 
「A.I.」 :監督:スティーブン・スピルバーグ,原作:ブライアン・オールディス,出演:ハーレイ・ジョエル・オスメント,ジュード・ロウ,ウィリアム・ハート.故スタンリー・キューブリックが暖めてきた原案をスピルバーグが映画化したもの.原作はブライアン・オールディス,ただし一体どの作品が原作になっているのか不明.唯一聞いたことがあるかな,という作品は「地球の長い午後」であり,まだ一度も読んだことの無い作家である.この映画の映画評を読むと多くの人々が酷評している.憎悪したくなる理由(挙げられている問題点)も分からなくは無い.これだけ大きな舞台(ヒトとお金)を用意して,私的な愛の形の一例を強引に寓話として全世界に配給するなんて傲慢だとは思うが,でも「それなりに面白かった」ので損した気はしていない.西洋ではヒト型のロボットに対して嫌悪感を持つ(ホントかなぁ?)という一例としてネタに使って良いですか? > スピルバーグ殿.

11/24 「メメント」 "MEMENTO" :監督:クリストファー・ノーラン,出演:ガイ・ピアース,キャリー=アン・モス,ジョー・パントリアーノ.短時間しか記憶を保てない前向性健忘の主人公が妻殺しの犯人を探して東奔西走...しているのだが,いかんせん記憶がどんどんと消えていく.貴重な情報は全て記録しよう.ポラロイドに記録してメモを残し,本当に忘れてはいけないことは刺青として残す.しかし本当にメモを信じてよいのか?! 時間進行を切り刻み,主人公の混乱ぶりを視聴者も追体験できる非常に凝ったプロットは革新的.「ユージュアル・サスペクツ」が後半15分で”うぉぉぉぉ凄いぞこれは”と愕然とするのに対して,「メメント」には15分ごとに”なぁるほど,なぁるほど,で,次は?”と引き込まれる面白さがある.ちなみにDVD版では正しい時系列で観られるモードがあるらしい.